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櫛田健児氏セミナー 「シリコンバレーの本質と日本の底力と課題に迫る:アルゴリズム革命から見るFintech, IoT, Cloud Computing, Biotech」

2016年1月25日(月) 10:00 ~ 12:00 開催
会場:新丸ビルコンファレンススクエア Room 901 東京都千代田区丸の内1-5-1新丸ビル9階

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(左から櫛田氏、栗原氏)

開催概要
題目:「シリコンバレーの本質と日本の底力と課題に迫る:アルゴリズム革命から見るFintech, IoT, Cloud Computing, Biotech」
発表者:櫛田 健児(スタンフォード大学アジア太平洋研究所リサーチアソシエート、Stanford Silicon Valley - New Japan Projectプロジェクトリーダー、CIGS International Research Fellow)
モデレーター:栗原 潤(キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹)

プログラム
ProgramPDF:136KB


発表資料
櫛田氏発表資料PDF:3187KB


発表要旨
発表要旨PDF:413KB 4月13日に新たに追加掲載しました


Q&Aサマリー
Q&AサマリーPDF:288KB 4月13日に新たに追加掲載しました


発表概要
 シリコンバレーは昨今の破壊的なイノベーションをあらゆる分野で創出している。
 金融では既存の金融機関ができなかったサービスをIT技術によって提供する、いわゆるFintechの新サービスが最近後を絶たない。また、全てのモノがインターネットにつながり、そこから大量のデータを取得したり、モノの機能自体を発売後のソフトウェアアップグレードによって一新させて新たなバリューを生み出すIoT (Internet of Things)は、様々なウェアラブル・デバイスからメディカル・デバイス、そしてテスラモーターズの電気自動車やそのオートパイロット機能、そして現在猛スピードで開発中のグーグルの自動運転自家用車などにも及ぶパラダイムである。
 クラウドコンピューティングは、人類史上初めて「計算能力とデータ保存」が希少リソースではなく、豊富な資源へと転換させる革命的なアーキテクチャーであり、これを武器に既存の様々な既存業界を脅かすサービスはシリコンバレーから創出されている。
 また、バイオテックではiPSを使った研究を始め、様々な医療機関でのニーズを吸い上げて、そこからデバイスや総合的な医療サービス、ならびに遺伝子分析ツール、そしてiPS細胞を使った実験などを含めた活動がシリコンバレーでは行われている。
 これら革新的なイノベーションは全て「アルゴリズム革命」が可能にしている。
 アルゴリズム革命とは、人間の活動をソフトウェアアルゴリズムでキャプチャーすることによって、様々な活動を分解、変換、再構築などさせることができるようになることである。あらゆるタスクは完全自動化、或はアルゴリズムによって人間のタスクの生産性の向上という方向に向かっている。そしてムーアの法則に従ってコンピューティングのコストが下がるにつれて、アルゴリズムによって変貌を遂げる経済活動の領域は広まっている。
 今回のセミナーでは、これらの状況がどうしてこうなったのかを含め、シリコンバレー 発IT革命の本質と、それが見えた上での日本の底力と課題に迫る。

櫛田健児氏紹介
 スタンフォード大学アジア太平洋研究所リサーチアソシエート。Stanford Silicon Valley - New Japan Projectプロジェクトリーダー。東京のインターナショナルスクールを経てスタンフォード大学で経済学と東アジア研究を専攻、カリフォルニア大学バークレーで政治学博士を修得後、現職に就く。情報通信やクラウド、政治経済分析を中心に研究。日本向けの一般書は『バイカルチャーと日本人―英語力プラスαを探る』(中公新書ラクレ)、『インターナショナルスクールの世界』(扶桑社、キンドル電子書籍)など。http://www.kenjikushida.com/

 【所属】
 スタンフォード大学アジア太平洋研究所日本研究プログラム リサーチアソシエート
 Stanford Silicon Valley - New Japan Project プロジェクトリーダー

 【学歴】
 2001年6月 スタンフォード大学:経済学部、東アジア研究学部卒業(学士)
 2003年6月 スタンフォード大学:東アジア研究部、修士課程修了(修士)
 2010年8月 カリフォルニア大学バークレー:政治学部、博士課程修了(博士)

 【職歴】
 2010年9月 スタンフォード大学アジア太平洋研究所ポストドクトラル フェロー(~2011年7月)
 2011年8月 スタンフォード大学アジア太平洋研究所日本研究プログラム リサー チアソシエート(~現在)
 2016年1月 キヤノングローバル戦略研究所 International Research Fellow