イベント開催報告  外交・安全保障

「同盟の比較研究プロジェクト」準備会合

2014年12月2日(火) 9:30 ~ 16:00 開催
会場:場所:キヤノングローバル戦略研究所 会議室3

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(左から、William Tow氏、神保氏)

会合出席者

モデレーター:

William Tow, Professor, Australian National University
Ken Jimbo, Senior Research Fellow, CIGS

他の出席者:

Michael Wesley, Professor,Australian National University
Brendan Taylor, Professor, Australian National University
David Envall, Research Fellow & Undergraduate Program Convenor, Australian National University
Alexandra Sakaki, SWP Stiftung Wissenschaft und Politik
Youngshik Daniel Bong, Senior Research Fellow, The Asan Institute for Policy Studies
Tomonori Yoshizaki, Director, Security Studies Department, National Institute for Defense Studies (NIDS)
Kunihiko Miyake, Research Director, CIGS
Kitti Prasertsuk, Associate Professor, Thammasat University (Joined via Skype)

開催概要

 12月2日(火)に当研究所は、オーストラリア国立大学(ANU)と協力して「同盟の比較研究プロジェクト」準備会合を開催した。本会合は、アジア太平洋地域と欧州における米国との同盟関係を比較しつつ、現代の同盟の意義と変容を分析し、地域安全保障秩序の動向を見定めることを目的としている。当研究所及び豪国立大学のほか、韓国・アサン研究所、ドイツ・国際安全保障研究所(SWP)、タイ・タマサート大学からそれぞれ代表者が参加した。
 冷戦後の大西洋同盟(NATO)の拡大と変容と、アジア太平洋における米国との二国間同盟は、互いに性質の異なる発展を遂げてきた。NATOが東方拡大により加盟国を増加させ多国間同盟として組織と機能を変化させてきたのに比べて、アジアにおける「ハブ・スポークス」機能は依然として維持されている。こうした背景がありながらも、プロジェクト参加者は以下の諸点において、欧州とアジアの同盟を比較する現代的な意義があることを議論した。
 ①世界的なパワーシフト(米国の相対的なパワーの低下、中国の台頭、ロシアの威嚇的な対外態度)に伴う同盟の変容、②同盟国間の力の配分の変化(中小国の能力構築)と独自の防衛能力の拡大、③秩序形成の中核としての役割(NATO/EU/OSCEの相互関係、日米同盟と多国間枠組みの関係等)、④ヘッジ対象国(中国・ロシア)に対する関与政策、⑤新技術(ドローンやロボティクス)、サイバー、宇宙ドメインの影響。
 以上の論点を解き明かすため、本プロジェクトは欧州から英国・ドイツ・デンマーク・ノルウェー・ポーランド、アジアから日本・韓国・フィリピン・タイ・オーストラリアの計10カ国の代表からなる研究チームを形成し、各国の対米同盟管理について①~⑤の論点がどのように影響を与えているのかを分析し、21世紀の同盟の現地点を俯瞰する予定である。現在複数のファンディングソースと交渉中であり、2015年度に財政的基盤が整い次第、本格的なワークショップを開催する予定である。