イベント開催報告  グローバルエコノミー

統数研共同研究集会「経済物理学とその周辺」H24年度第一回研究会

2012年8月27日(月) 10:00 ~ 17:20 & 28日(火)10:00~15:00 開催
会場:キヤノングローバル戦略研究所 会議室3

アジェンダ

AgendaPDF:255KB


挨拶

  • 福井 俊彦
    キヤノングローバル戦略研究所(CIGS) 理事長

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Session 1 Chair: 水野 貴之 (筑波大学大学院システム情報工学研究科,CIGS)

  • 「ネットワークモチーフが明らかにする企業間の取引関係」

    発表者:
    大西 立顕 (CIGS,東京大学大学院経済学研究科)

    共同研究者:
    高安 秀樹 (ソニーCSL)
    高安 美佐子 (東京工業大学大学院総合理工学研究科)


      日本企業約100万社について、企業間取引の有向ネットワークの三体相互作用を分析した。二体相互作用を調べた結果、企業は同じような業種同士でつながりやすい性質があることが分かった。この二体相関の性質を用いて各企業の次数を保存してランダムにつなぎ替えたネットワークを作成し、統計的有意に出現する三体相互作用(ネットワークモチーフ)を抽出した。
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  • 「一国規模の企業取引ネットワークと企業の売上」

    発表者:
    渡邊 隼史 (ホットリンク)

    共同研究者:
    高安 秀樹 (ソニーCSL)
    高安 美佐子 (東京工業大学大学院総合理工学研究科)


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  • 「資産の市場価格と銀行システムの不安定性」

    発表者:
    前野 義晴 (日本電気株式会社)


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  • 「コブ・ダグラス型生産関数とジブラ則」

    発表者:
    藤本 祥二 (金沢学院大学経営情報学部,CIGS)

    共同研究者:
    石川 温 (金沢学院大学)
    水野 貴之 (筑波大学大学院システム情報工学研究科,CIGS)
    渡辺 努 (東京大学大学院経済学研究科, CIGS)



    発表資料PDF:2.0MB
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Session 2 Chair: 大西 立顕 (CIGS,東京大学大学院経済学研究科)

  • 「e-店舗の異質性とオンライン市場の値崩れの関係」

    発表者:
    水野 貴之 (筑波大学大学院システム情報工学研究科,CIGS)


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  • 「所得分布と相互作用の効果について」

    発表者:
    荒田 禎之 (東京大学大学院経済学研究科)


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  • 「乱数度器RMT-テストの実データへの応用~ハッシュ値と先物Tick株価~」

    発表者:
    楊 欣 (鳥取大学大学院工学研究科情報エレクトロニクス専攻)

    共同研究者:
    田中美栄子 (鳥取大学大学院工学研究科)


       先に提案した、RMTを用いた乱数度評価法(RMTテスト)の有用性をチェックするため、実データへの応用研究二つを発表した。一つ目は、暗号学的ハッシュ関数MD5とSHA-1の乱数度の比較であり、より安全性の高いSHA-1の乱数度の方がMD5に比べて高いことを示すことが出来た。二つ目は株価tickデータの対数収益時系列の乱数度の比較であり、異なる10業種から各4社を選んで乱数度と損益の関連性について調査したところ、各業種について4社の内で乱数度が一番低い株が最も安全性が低いという結果となった。

    発表資料PDF:5.6MB
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  • 「RMT利用による東証4半期毎の主成分追跡〜業種分類の再考で見えるもの〜」

    発表者:
    田中美栄子 (鳥取大学大学院工学研究科)

    共同研究者:
    山本敦史 (鳥取大学大学院工学研究科)


      株式市場を牽引する主要銘柄とその業種を、tick価格時系列データから自動計算しようとする研究。
     TOPIX相当株価500銘柄を2007-2009の3年分用い、30分毎に成形した時系列の同時刻相関行列の固有値を求め、そこからランダム行列理論(RMT)の固有値分布を用いてランダム成分を消去することによる主成分抽出法を適用して得られた第2主成分の固有ベクトル成分のうち、凝集効果の見える上位10銘柄の属する業種をその時期の主要業種として抽出し、4半期(3ヵ月)毎の変遷を追跡した。
     その結果、サブプライムローン問題やリーマンショックの時期に特有の業種分散を観測し、またその前後で起きた主要業種の変化を明確に捉えることができた。更に、業種分類法を東証の4桁コードの上位2桁からTOPIX17へ、更に関連株分類法による7分類にまとめることにより、更に見易い結果を得ることができた。

    発表資料PDF:4.7MB
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Session 3 Chair: 藤本 祥二 (金沢学院大学経営情報学部,CIGS)

  • 「Hi-net地震時系列データの異時刻相関解析」

    発表者:
    新井 優太(新潟大学大学院自然科学研究科)


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  • 「Finance model と Multifractal random walk」

    発表者:
    黒田 耕嗣 (日本大学大学院総合基礎科学研究科)


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  • 「複数の為替レートのパターン・エントロピーによる分析」

    発表者:
    石崎 龍二 (福岡県立大学人間社会学部)


      パターン・エントロピーを使って、外国為替時系列の局所的な変動の複雑さの定量化を試みた。
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  • 「外国為替市場における参加者行動の網羅的計量」

    発表者:
    佐藤 彰洋 (京都大学大学院情報学研究科)


      網羅的観点からICAP電子ブローキングシステムでやり取りされた通貨注文・取引に関する為替ティックデータの分析を行う。外国為替相場全体での注文・取引の状況を「ネットワークエントロピー」と呼ばれる手法を用いて定量化する。この方法により、2011年12月から2012年2月にかけてこれまでにない規模の通貨取引が連続して発生していたことが確認された。この傾向は2012年2月の日銀金融緩和発表以降沈静化していった。

    発表資料PDF:418KB
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Session 4 Chair: 水野 貴之 (筑波大学大学院システム情報工学研究科,CIGS)

  • 「進化型IPDを用いた最適戦略の探索」

    発表者:
    糸井 良太 (鳥取大学大学院工学研究科情報エレクトロニクス専攻)

    共同研究者:
    田中美栄子 (鳥取大学大学院工学研究科)


      戦略を2値の1次元配列で表現し、自動進化させる繰り返し囚人のジレンマモデルにおいて、[1**1 ***1 ***1 *001]構造の戦略が進化的に安定な戦略であることが知られている。我々は、より詳細に分析を行うことにより、最適戦略の戦略構造についてさらに具体的な分析を行った。その結果、優秀な成績を収めた戦略は[1001 0001 0001 0001]構造を持つ場合が多いことを突き止めた。
      この構造を持つ戦略の性質を調べると以下の4要素を持つことが分かった。
    1. 自分から裏切らない(最右遺伝子が1=協力)
    2. 裏切られたらすぐに報復する(4つ組の第1要素と第3要素が0=裏切り)
    3. 裏切りが続くと自分から協力行動を行う(最左遺伝子が1=協力)
    4. 協力関係が成立するとその関係の維持を行う(4つ組の第4要素が1=協力)

    発表資料PDF:1.4MB
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  • 「研究分野"知"図とその可視化」

    発表者:
    藤田 裕二 (日本大学理工学研究所,(株)ターンストーンリサーチ)


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  • 「Collective behavior of stock prices as a precursor to market crash」

    発表者:
    増川 純一 (成城大学経済学部)


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講演 「景気循環の結合振動子モデル」

  • 池田 裕一
    京都大学リーディング大学院思修館

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講演 「 Reconstruction Macroeconomics 」

  • 吉川 洋
    東京大学大学院経済学研究科, キヤノングローバル戦略研究所アドバイザー

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Session 5 Chair: 大西 立顕 (CIGS,東京大学大学院経済学研究科)

  • 「株式市場における隠れたフラストレーション構造」

    発表者:
    家富 洋(東京大学大学院経済学研究科)

    共同研究者:
    吉川 丈夫 (新潟大学大学院自然科学研究科)
    飯野 隆史(新潟大学理学部)


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  • 「企業間取引ネットワークにおけるシステミックリスクの計測」

    発表者:
    間 真実 (一橋大学大学院経済学研究科)


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  • 「RMTテストの性能検証〜NIST乱数検定との比較〜」

    発表者:
    三賀森 悠大 (鳥取大学大学院工学研究科情報エレクトロニクス専攻)

    共同研究者:
    楊 欣 (鳥取大学大学院工学研究科情報エレクトロニクス専攻)
    糸井 良太 (鳥取大学大学院工学研究科情報エレクトロニクス専攻)
    田中美栄子 (鳥取大学大学院工学研究科)


      乱数の良し悪しを測る為の手法として、以前より我々はランダム行列理論(Random Matrix Theory:以下RMT)を乱数度評価に応用したRMTテストを提案し、擬似乱数や物理乱数を用いて合格基準を統計的に定めてきた。本稿では別の乱数検定ツールでの検定結果との比較によって、RMTテストの誤差基準についての再考察を行った結果を示す。
      実験方法として、RMTテストにより数列の乱数度を測定すると共に、NISTの乱数検定ツール(以下NIST乱数検定と定義)で、15種類の検定法を採用した検定結果を用いて比較した。我々は乱数度を高いと判定する誤差の最大値を定める為、規則的な数列をシャッフルし、シャッフル回数ごとのファイル出力によって様々な乱数度を持つ数列を用意して比較実験を行なった。
      その結果、NIST乱数検定で良い乱数と見なせる乱数列は、RMTテストによって求める誤差0.60%以下であることが分かった。これは、以前に擬似乱数及び物理乱数を用いて定めた基準よりも厳しい基準となる。

    発表資料PDF:4.3MB
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  • 「再構成可能コンピューティング:FPGAにおけるマルチエージェントシミュレーションのハードウェア化」

    発表者:
    ザパート・クリストファー (統計数理研究所データ同化開発センター)


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