キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。
2026年3月3日(火)
[ 2026年外交・安保カレンダー ]
昨日の続き ー イランについては昨日書いた内容に補足する点はない。このままイスラエル、米国、イランが封印してきた「禁じ手」をこれほど多用するようになれば、出口が一層見えなくなるだろう。こうなれば「誤算が誤算を生む」という悪循環に陥る恐れもある。では、どうすれば状況を一時停戦に持っていけるか。
イランは既にルビコンを渡っている。出口が見えるとすれば、一つの可能性として、トランプ政権が戦争の長期化は、内政的にも、外交的にも、不利だと悟り、「トランプなり」に名誉ある形の「目標達成」を宣言することだろう。それにイランが応じる可能性はあるかもしれない。但し、事態がここまで拗れてしまうと、そもそもトランプ氏にそのような「精神的余裕」が生まれるかどうか、疑問なしとしない。
次は吉岡明子主任研究員によるロシア関連コーナーだが、今週は同研究員がまとめた「アメリカ・イスラエルによるイラン攻撃――ロシアの専門家の見方」を以下の通りご紹介する。ロシア人の識者が「現在の米イラン関係を如何に見ているか」を暗示するこの二つの論評、個人的には極めて興味深い。
ロシアのメディアでも、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃は大きく報じられている。今回は、ロシアの有力専門家2人がこの戦争をどのように論評しているかについて、簡単に紹介したい。両者に共通するのは、米国の行動が地域秩序のみならず、国際秩序そのものの転換を加速させるとの認識である。
◆フョードル・ルキヤノフ(ロシア対外・防衛政策評議会〔SVOP〕幹部会議長)-2月28日付コメルサント紙で次のように分析している。
◆ドミトリー・トレーニン(ロシア高等経済学院世界軍事経済・戦略研究所 所長)-3月1日放送、国営第1チャンネルの討論番組「グレート・ゲーム」での発言要旨
続いては、いつもの通り、欧米から見た今週の世界の動きを見ていこう。ここでは海外の各種ニュースレターが取り上げる外交内政イベントの中から興味深いものを筆者が勝手に選んでご紹介している。欧米の外交専門家たちの今週の関心イベントは次の通りだ。
| 3月3日 火曜日 | カナダ首相、豪州訪問(4日間)、その後2日間訪日予定 |
| 独首相訪米、ホワイトハウスで米独首脳会談 | |
| オランダ新首相ブラッセル訪問、欧州委員会委員長と会談 | |
| 韓国大統領フィリピン訪問(2日間) | |
| 3月4日 水曜日 | UAE外相訪伊、伊首相と会談 |
| 3月5日 木曜日 | ネパールで議会選挙 |
| 中国で全人代開幕 | |
| 3月7日 土曜日 | ラ米首脳訪米、マイアミで米大統領と会談 |
| 3月8日 日曜日 | コロンビア議会選挙 |
今週はこのくらいにしておこう。
2026年重要日程レポート9【3月2日版】
<今週以前から続く会議>
3月2日‐3月19日 人権委員会、第145回会議(ジュネーブ)
2月16日‐3月13日 平和維持活動に関する特別委員会とその作業部会(ニューヨーク)
2月23日‐3月27日 総会第五委員会(未定)(ニューヨーク)
2月23日‐4月2日 人権理事会第61回会議(ジュネーブ)
2026年前半 ロシア・アラブ首脳会議(場所未定)
2026年内 ロシア大統領がカザフスタン訪問を予定
3月
<3月2日‐3月8日>
2日 インドネシア2月CPI発表
2日 カザフスタン2月CPI発表
2日‐3月6日 国際原子力機関(IAEA)定例理事会(ウィーン)
2日‐3月6日 国際麻薬統制委員会第145回会議(ウイーン)
2日‐3月13日 国際海底機構、法律技術委員会、第31会期第1部(キングストン)
2日‐3月19日 人権委員会、第145回会議(ジュネーブ)
3日 ブラジル2025年第4四半期GDP発表
3日 コロンビア1月輸出統計発表
4日 ユーロスタット、1月失業率発表
4日 香港1月小売統計発表
4日 米アップルがイベント開催(パソコン、iPhoneなど新製品発表か)
4日 米地区連銀景況報告(ベージュブック)
5日 ネパール総選挙
5日 台湾1月小売統計発表
5日 オーストラリア1月貿易統計発表
5日 ブラジル1月全国家計サンプル調査発表
5日 米国2026年1月貿易統計発表
6日 ユーロスタット、第4四半期実質GDP成長率発表
6日 コロンビア2月CPI発表
6日 チリ2月CPI発表
6日 米国2月雇用統計
6日 台湾2月CPI発表
6日 2月のベトナム社会・経済統計発表(CPI)
6日 社民党党首選告示(23日開票)
6日‐3月15日 ミラノ・コルティナ冬季パラリンピック(ミラノ、コルティナダンペッツォ)
6日‐3月7日 カナダのカーニー首相が来日
7日‐3月8日 キッズ&ファミリーフェア2026年(カンボジア)
8日 独バーデン・ビュルテンベルク州議会選
8日 岩手県奥州、石川県輪島、兵庫県洲本各市長選投開票
8日 石川県知事選投開票
8日 金沢市長選投開票
8日‐3月11日 「VIFA EXPO 2026」ベトナム国際家具・ホームアクセサリーフェア(ホーチミン)
<3月9日‐3月15日>
9日 メキシコ2月CPI・自動車生産・販売・輸出統計発表
9日 台湾2月貿易統計発表
9日 ユーロ・グループ(非公式ユーロ圏財務相会合)
9日 チリ2月貿易統計発表
9日‐3月12日 欧州議会本会議
9日‐3月13日 国連拷問被害者のためのボランティア基金理事会(ジュネーブ)
9日‐3月13日 麻薬委員会第69回会議(ウイーン)
9日‐3月13日 非核兵器地帯問題に関する包括的研究を準備するための専門家グループ、第2回会合(ニューヨーク)
9日‐3月20日 女性の地位に関する委員会第70回会議(ニューヨーク)
10日 フィリピン12月直接投資発表
10日 カンボジア2月貿易統計発表
10日 南ア第4四半期GDP発表
10日 EU経済・財務相(ECOFIN)理事会
11日 ドイツ2月CPI発表
11日 米国2月CPI発表
11日 チリ大統領就任式
11日 ブラジル1月月間小売り調査発表
12日 インド2月CPI発表
12日 アルゼンチン2月CPI発表
12日 ブラジル2月IPCA発表
12日 ペルー金融政策決定会合
12日 トルコ中銀金融政策会議(トルコ・イスタンブール)
13日 メキシコ1月鉱工業生産指数発表
13日 フランス2月CPI発表
13日‐3月14日 社民党大会
15日 イスラエル2月CPI発表
15日 ベトナム国会議員選挙
15日 仏地方統一選挙・第1回投票
<3月16日‐3月22日>
16日 米国2月小売統計
16日 カザフスタン1月貿易統計発表
16日 カザフスタン1~2月鉱工業生産指数発表
16日 台湾2月投資統計発表
16日 フィリピン1月OFW送金額発表
16日 EU外相理事会
16日‐3月17日 サムソン国際スマートモビリティ・サミット2026年(テルアビブ)
16日‐3月19日 米エヌビディア年次開発者会議「GTC」(カリフォルニア州サンノゼ)
17日 シンガポール2月貿易統計発表
17日 EU一般問題理事会
17日‐3月4日 筑波大生不明事件差し戻し審(仏リヨン)
17日‐3月18日 米国FOMC、経済見通し発表
17日‐3月18日 ブラジル中央銀行、Copom
17日‐3月18日 MIXiii ヘルステックIL(イスラエル・エルサレム)
18日 米FOMC最終日(声明発表とFRB議長会見)(FRB)
18日 アルゼンチン2025年第4四半期世帯アンケート結果(労働力調査)発表
18日 南ア第4四半期GDP発表
18日 ユーロスタット、2月CPI(HICP)発表
18日 香港2025年12月~2026年2月雇用統計発表
18日‐3月19日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(金融政策)
19日 京都府知事選告示(4月5日投開票)
19日 フィリピン2月BOP統計発表
19日 アルゼンチン2月貿易統計発表
19日 英国労働市場統計(11~1月)発表
19日 コロンビア1月輸入統計発表
20日 ロシア中央銀行理事会
20日 香港2月CPI発表
21日 南オーストラリア州議会選挙
22日 鳥取市長選告示(29日投開票)
<3月23日‐3月29日>
23日 シンガポール2月CPI発表
23日 メキシコ1月小売・卸売販売指数発表
24日 チリ金融政策決定会合
24日 台湾2月小売統計発表
24日‐3月26日 FHV 2026 - フード & ホテル ベトナム(ホーチミン)
25日 英国2月CPI発表
25日 米国2025年第4四半期および2025年通年の国際収支統計発表
25日 チリ金融政策レポート発表
25日 米国第4四半期および2025年通年対外資産負債残高統計発表
25日 オーストラリア2月CPI発表
25日‐3月26日 欧州議会本会議
26日 ECB一般理事会
26日 EU外相理事会(貿易)
26日 香港2月貿易統計発表
26日 台湾2月雇用統計発表
26日 メキシコ金融政策決定会合
27日 メキシコ2月貿易統計・雇用統計発表
27日 米国2025年第4四半期GDP(確定値)発表
28日 インド2月IIP発表
<3月30日‐4月5日>
31日 米国通商代表部(USTR)2026年外国貿易障壁報告書(NTE)提出期限
31日 コロンビア2月雇用統計発表・金融政策決定会合
31日 ドイツ2月労働市場統計発表
3月中 OECD世界経済見通し発表
4月
1日 スロベニア議会選挙
1日 インドネシア2月貿易統計発表
1日 インドネシア3月CPI発表
2日 米国2月貿易統計発表
2日 カナダ2月貿易統計発表
2日 オーストラリア2月貿易統計発表
3日 米国3月雇用統計
6日 3月と第1四半期のベトナム社会・経済統計発表(GDP, CPI)
8日 チリ3月CPI発表
9日 コロンビア3月CPI発表
9日 メキシコ3月自動車生産・販売・輸出統計・CPI発表
10日 カンボジア3月貿易統計発表
10日 米国3月CPI発表
10日 ブラジル3月IPCA発表
12日 ペルー総選挙(大統領、上院・下院議員、アンデス議会議員選挙)
12日 ハンガリー議会選挙
12日 ベナン大統領選挙1回目投票
13日‐4月16日 InnoEX(香港)
13日‐4月18日 IMF・世界銀行春季総会(米国・ワシントン)
14日 アルゼンチン3月CPI発表
15日 ブラジル2月月間小売り調査発表
15日 イスラエル3月CPI発表
15日 米国財務省 半期為替政策報告書提出期限
15日‐4月30日 中国輸出入商品交易会(広州)
16日 米国3月小売統計
16日‐4月18日 Texpo 26(パキスタン)
16日‐4月19日 Beautycare Expo 2026 (ハノイ)
16日‐4月19日 IMF・世界銀行春季総会(ワシントンDC)
17日 CIS外相会議(ロシア・カリーニングラード)
20日‐4月22日 BEAUTY ASIA Singapore 2026(シンガポール)
21日‐4月24日 Food &Hospitality Asia(FHA)2026(シンガポール)
22日 カザフスタン2025年経済活動別GDP発表
23日 カザフスタン2025年所得別GDP発表
23日 シンガポール3月CPI発表
23日 イスラエル3月財貿易統計発表
24日 メキシコ3月雇用統計発表
24日 ロシア中央銀行理事会
27日 メキシコ3月貿易統計発表
27日‐4月28日 チリ金融政策決定会合
28日‐4月29日 ブラジル中央銀行、Copom
28日‐4月29日 米国FOMC
29日 カナダ中銀政策金利発表・金融政策報告書発表
29日 アルゼンチン第1四半期貿易統計発表
29日 チリ1~3月雇用統計発表
29日 オーストラリア3月CPI発表
29日‐4月30日 Sydney Build Expo(シドニー)
30日 ブラジル3月全国家計サンプル調査発表
30日 コロンビア3月雇用統計発表・金融政策決定会合
30日 米国2026年第1四半期GDP(速報値)発表
4月以降 ミャンマー新政権発足
4月中(予定) カナダ経済声明
4月中 カーボベルデ議会選挙
4月初〜5月 第16期の第1回の国会会議(ベトナム)
宮家 邦彦 キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問