外交・安全保障グループ 公式ブログ

キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。

  • 当サイト内の署名記事は、執筆者個人の責任で発表するものであり、キヤノングローバル戦略研究所としての見解を示すものではありません。
  • 当サイト内の記事を無断で転載することを禁じます。

2013年3月12日(火)

外交・安保カレンダー(3月11-17日)

[ 2013年外交・安保カレンダー ]


また3月11日がやってきた。2年前の今日、筆者は学士会館で講演中だった。最後の質疑応答の最中に建物全体が揺れた。関係者全員がテーブルの下に「避難」した。あの時のことは一生忘れない。改めて尊い犠牲に心から哀悼の意を表する。

今週末に第12期全人代が閉幕する。中国政府の人事にサプライズはなく、まあこんなもんだろうな、などと思う。個人的にはこれまで「海監」、「漁政」などバラバラだったいわゆる「five dragons」が「中国海警局」として一本化されたことに注目している。

中国の「第二海軍」とか、海上警察能力「強化」などといった懸念もあるが、メリットがない訳ではない。少なくともこれからは日本の海保のように指揮権が統一される。「five dragons」間のライバル意識丸出しの「不規則行動」が減るのなら歓迎だ。

こうした動きが日中や米中公船同士の誤算に基づく不必要な衝突の回避に繋がることを期待しよう。なお、中国政府の機構改革という点では「鉄道部」が解体され、多くが交通運輸部に吸収される。尤も、この程度で中国の腐敗がなくなるとは思えないが・・・。

今週最も驚いたのは北朝鮮が朝鮮戦争の休戦協定を白紙化すると宣言したことだ。「白紙化」自体にはあまり驚かないが、むしろ「白紙化」されて日米韓関係者が何も言わないことに内心驚いている。なぜかって?当然だろう。

休戦協定が「白紙化」されれば、休戦が破れる、すなわち、「戦争状態に戻る」ということを意味するのではないのか。朝鮮戦争を戦ったのは韓国と北朝鮮だけでなく、中国(の義勇兵という名の人民解放軍)と米国(を中心とする朝鮮国連軍)だ。

朝鮮戦争が長い間の「休戦期間」を経て、再び戦争状態になればどうなるのか。誰も考えないのだろうか。考えたくもないのか、考える必要がないのか、考えもしないのか。国連はなぜ何も反応しないのか。このことの方が筆者には驚きである。


3月11日 東日本大震災から2年(追悼式、国立劇場)
11日 シドニー休場(アデレードカップデー)
11日 テロリズム被害者の追憶の日
11日 トルコ大統領、スウェーデン訪問
11日 EU外相理事会(ブリュッセル)
11日 EU一般問題理事会(ブリュッセル)
11日 EU運輸・通信・エネルギー担当相理事会(ブリュッセル)
11日 名護漁業協同組合(沖縄県名護市)臨時総会
11日 再生可能エネルギー固定価格買い取り制度に関する調達価格等算定委(経産省)
11日 日銀、1月マネーストックM2+CD発表
11日 黒田日銀総裁候補の参院所信聴取
11-13日 欧州ユース会議と本部長会議(ダブリン)
11-14日 EU・モルドバFTA交渉会合(ブリュッセル)
11-14日 欧州議会本会議、委員会会議(ストラスブール)
11-15日 第56回麻薬に関する委員会(ウィーン)
11-15日 国連人権理事会、第99回強制と非自発的失踪に関する作業部会(ジュネーヴ)
11-15日 日ロ漁業合同委員会第29回会議(モスクワ)
11-21日 米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」
11-28日 欧州人権委員会107回
12日 日銀議事録(2月13、14日分)
12日 グリーンランド議会選挙
12日 欧州委員会、次回選挙に関する勧告を提示(ストラスブール)
12日 アルメニア大統領、ロシア訪問、プーチン大統領訪問
12日 岩田・中曽日銀副総裁候補の参院所信聴取
12日 米2月月次財政収支発表
12日 インド1月卸売物価指数(WPI)、消費者物価指数、工業生産指数(IIP)発表
12日 JAグループがTPP反対で全国集会(東京・日比谷野外音楽堂)
12-13日 日英租税条約(2006年発効)の改正交渉第一回交渉(ロンドン)
12-15日 スリランカ民主社会主義共和国大統領、来日
13日 小沢一郎衆院議員の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、一審で有罪判決を受けた元秘書ら3人の控訴審判決(東京高裁)
13日 欧州委員会、旅行客が権利を取得するために新しい措置を提案(ブリュッセル)
13日 仏首相、カナダ訪問
13日 アジア太平洋 - AMRの地域準備会議(バンコク)
13日 ユーロ圏1月鉱工業生産・季調済発表
13日 米2月輸入物価指数、2月小売売上高統計発表
13日 中国全人代で周小川・中国人民銀行総裁が講演
13日 社会保障制度改革国民会議
13-14日 仏首相、カナダ訪問
13-15日 日・ウルグアイ投資協定交渉に関する第2回会合(テレビ会議)
14日 英国商業会議所(BCC)年次総会(ロンドン)
14日 欧州経済社会委員会、欧州消費者デー2013(ブリュッセル)
14日 2013年人間開発報告、始動(メキシコシティ)
14日 パレスチナ自治政府のアッバス大統領、プーチン氏を訪問(モスクワ)
14日 米国2012年第4四半期国際収支、経常収支、2月生産者物価指数発表
14日 米FRB、銀行の資本分析リポート発表
14-15日 EU首脳会議(ブリュッセル)
14-17日 米州開発銀行(IDB)年次総会(パナマ市)
14-17日 フィギュアスケート 世界選手権(カナダ・ロンドン)
14-18日 サンパウロ・ファッションウイーク「SPFW」2013/2014夏
15日 ユーロスタット2月消費者物価指数発表
15日 CIS経済理事会(モスクワ)
15日 イタリア新議会召集
15日 欧州評議会とフランスの経済•社会•環境審議会、欧州移民に関する会議(ブリュッセル)
15日 ユーロ圏2月消費者物価指数発表
15日 米NY連銀製造業景気指数発表
15日 米国2月消費者物価指数発表
15日 SUZUKIモーターズ社長、インド訪問
15-18日 日銀人事案、採決
16日 ジンバブエ国民投票(憲法案の是非を問う)
17日 自民党大会
17日 中国全人代閉幕
17日 千葉県知事選挙
17日 ニューヨークシティー・ハーフマラソン(ニューヨーク)
17-18日 WBC準決勝(米サンフランシスコ)

【来週の予定】
18日 国連、武器貿易条約(ATT)交渉再開
18日 「GUAM+日本」農業ワークショップ終了日(東京)
18日 オーストラリアとインド、ウラン売却会談
18日 エジプト大統領、パキスタンを訪問
18日 ユーロ圏1月貿易収支発表
18日か19日 ロシア1-2月鉱工業生産指数発表
18-19日 EU農水相理事会(ブリュッセル)
18-19日 イラン核問題に関する技術会談(イスタンブール)
18-20日 第3回日ニュージーランド会議(タウポ)
18-20日 南ア準備銀行、金融政策委員会
18-21日 香港フィルマート2013
18-21日 欧州議会委員会会議(ブリュッセル)
18-22日 第15回国連開発政策委員会(ニューヨーク)
19日 山口・西村両日銀副総裁任期満了
19日 ヨーロッパにおけるポスト貿易調和と金融統合に関する会議(フランクフルト)
19日 第122回国連環境計画(UNEP)常任代表委員会(ナイロビ)
19日 RBA議事録発表
19日 ユーロ圏1月建設支出、3月ZEW景況感調査発表
19日 2月米住宅着工件数米2月建設許可件数発表
19日 WBC決勝(米サンフランシスコ)
19-20日 米国連邦公開市場委員会(FOMC)
19日か20日 ロシア1月貿易統計発表
19-21日 EU・グルジアFTA交渉会合(ブリュッセル)
20日 地下鉄サリン事件から18年
20日 オバマ大統領、イスラエル・パレスチナ訪問
20日 トルコ首相、オランダ訪問
20日 第48回国連HABITAT上院代表委員会
20日 東京市場休場(春分の日)
20日 ユーロ圏1月経常収支発表
20日 FOMC政策金利発表
20、22日 WTO加盟国通商政策レビュー:アルゼンチン(ジュネーブ)
20-21日 欧州経済社会委員会本会議(ブリュッセル)
20-21日 国際サッカー連盟(FIFA)理事会(チューリヒ)
21日 WTOサービス理事会(ジュネーブ)
21日 旧東京中央郵便局跡地の複合ビル「JPタワー」開業
21日 EU環境相理事会(ブリュッセル)
21日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(フランクフルト)
21日 ECB一般理事会(フランクフルト)
21-22日 第11回「気候変動に対する更なる行動」に関する非公式会合(東京)
21-23日 英国小規模企業連盟(FSB)年次総会(レスター)
22日 国連総会、世界水の日宣から20周年。総会、高レベル双方向の対話を進める(ニューヨーク)
23日 全国交通系ICカード、相互利用開始
23-25日 OECD事務総長、中国訪問
24日 トーゴ議会選
24日 マケドニア地方議会選挙
24-26日 共通外交•安全保障政策および共通安全保障防衛政策(CSDP)のための議会間会議


宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問