外交・安全保障グループ 公式ブログ

キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。

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2013年1月29日(火)

外交・安保カレンダー(1月28日-2月3日)

[ 2013年外交・安保カレンダー ]


アルジェリア南東部のガスプラント襲撃事件は最悪の結末を迎えた。亡くなられた同胞を含む全ての国の犠牲者のご冥福を心からお祈り申し上げる。この一週間はずっと、私が中東で生活し始めた頃のこと、当時の仲間たちのことを考えていた。
中東で戦争があっても、米国が関与しない限り、関心がない。北アフリカで人質事件が起きても、日本人がいない限り、報じない。日本人はこれを過去40年以上も続けてきた。熱くなるのも早いが、冷めるのも早い。数年もしないうちに全てを忘れる。
これでは何時までたっても中東は理解できない。今回こそ、こうした悪循環を断ち切って欲しい。そうでなければ、犠牲になった仲間たちの弔いにならない。また、中東に限らず、過酷な海外で頑張った人々にもっと関心を向け、処遇してほしいものだ。
北朝鮮の新たな実験が秒読みに入ったのだろうか。ピョンヤンではこのところ威勢の良い発言が目立ち、金正恩は「実際的で強度の高い国家的重大措置」を取る断固たる決心を表明したそうだ。やはり、北朝鮮の体制は本質的に変わっていないのか。
キヤノングローバル戦略研究所の同僚が訳してくれた1月26日の朝鮮中央通信関連報道のうち、「核実験」を示唆していると思われる部分とそれを正当化するロジックをご紹介しよう。皆さんはこうした論理構成をどう思われるだろうか。
「昨年4月から開始し、我々は国際的な慣例以上の透明性も確保して、友情情勢が比較的穏やかな時を選んで発射時期を選ぶなど、衛星打ち上げの平和的性格を立証して表示するためにあらゆる努力を傾けた。
しかし、そもそも私たちの衛星打ち上げをもう一つの反共和国圧殺のきっかけにしようと決心した敵対勢力は、頑として私たちの衛星打ち上げの権利を否定して出た。
国際法的に認められた主権国家の自主的な宇宙開発の権利を乱暴に蹂躙した米国とその追従勢力の暴悪非道な敵対行為は、・・・米国の対朝鮮敵視戦略が最絶頂に達していることを示している。
これにより偉大なる金正日同志が生涯を捧げ用意してくださった自衛的な戦争抑止力を土台にして、今の人民が多くはベルトを締めすぎないよう経済建設に集中しようとした我々の努力には厳重​​な難関が作られた。
複数の関係国が問題の公正な解決と事態の激化を防ぐために努力を傾けたが、自ら認めていると思いが彼らの能力にも限界があることが明らかになった以上、我々の自主権はひたすら自らの力で守らなければならないという哲理が再び確証された。
世界の非核化が実現される前には、朝鮮半島の非核化がありえないということも明らかになった。
金正恩同志は協議会において、既に国防委員会と外務省の声明を通じて民族の尊厳と国家の自主権を守るための強力な物理的対応措置が後に伴うことになるという立場を明らかにしたように、醸成された情勢に対処し実際的で強度の高い国家的重大措置を取られる断固たる決心を表明し、その部門の幹部らに具体的な課題を提示された。」
公明党山口代表の訪中が終わった。今度は中国側が代表を日本に送るのか、それとも自民党の高村副総裁が訪中するのかが気になる。一方、28日には村山元総理や加藤紘一日中友好協会会長らが訪中した。これこそ英語のirrelevantである。


1月28日 シドニー(オーストラリアデー)、ウェリントン市場(オークランド記念日)休場
28日 通常国会召集、安倍首相の所信表明演説
28日 原子力問題に関する特別委員会、設置
28日 北朝鮮、党細胞書記大会(平壌)
28日 欧州議会委員会(ブリュッセル)
28日 欧州委員会、スマートグリッド標準化の実績に関する会議(ブリュッセル)
28日 欧州委員会、EU防衛分野における地域スマート特化に関するワークショップ(ブリュッセル)
28日 欧州労働組合連合(ETUC)ハイレベル会議(マドリッド)
28日 米国・メキシコの間に無人の国境が開通
28日 IMF、銀行改革に関してスペイン訪問
28日 金融安定理事会(FSB)総会
28日 関西電力の電気料金値上げ認可申請等に関する公聴会(大阪市)
28日 ユーロ圏12月マネーサプライM3・季調済発表
28日 横綱審議委員会(東京・両国国技館)
28-29日 欧州農水相理事会(ブリュッセル)
28-29日 経団連労使フォーラム
28-31日 日中友好協会代表団、訪中
28-31日 地球システムガバナンス東京会議(東京、国連大学)
28-31日 第一回通常総会国連開発計画(UNDP)、国連人口基金(UNFPA)、国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)、通常理事会(ニューヨーク)
28-2月1日 第11回人権理事会作業部会(ジュネーヴ)
28日-2月1日 EU・グルジアFTA交渉会合(トビリシ)
29日 2013年度予算案閣議決定
29日 復興推進会議
29日 欧州経済社会委員会、"地域のための内部市場と国家援助"に関する公聴会(ブリュッセル)
29日 アフリカ主導国際マリ支援ミッション(AFISMA)に関する支援会合に松山副外相出席(エチオピア)
29日 アウン・サン・スー・チー女史、韓国パク・クンヘ大統領と会談
29日 2002年下半期の日銀議事録公表
29日 米11月S&P/ケース・シラー住宅価格指数、1月消費者信頼感指数発表
29日 インド中銀が金融政策会合
29-30日 米連邦公開市場委員会(FOMC)
29-30日 EU宇宙政策に関する第5回年次大会(ブリュッセル)
30日 欧州評議会、常駐代表委員会(Coreper I、II) (ブリュッセル)
30日 欧州委員会、欧州の小売行動計画と不公平な取引慣行に関するグリーンペーパー(ブリュッセル)
30日 欧州委員会、ルーマニアに関する協力と検証メカニズムにおける進捗状況報告書公表(ブリュッセル)
30日 グローバルサイバーセキュリティー会議2013(ブリュッセル)
30日 第5回アフリカ開発会議(TICAD V)推進官民連携協議会第3回会合(東京)
30日 第5回日本・カナダ貿易投資対話(東京)
30日 欧州中央銀行、第1回LTRO(3年物長期資金供給オペ)の前倒し返済を開始
30日 バローゾ欧州委員長、オルバン・ハンガリー首相、会談
30日 全国財務局長会議(財務省)
30日 ユーロ圏1月消費者信頼感発表
30日 米1月ADP全国雇用者数発表
30日 米FOMC政策金利発表
30日 韓国初の人工衛星搭載ロケットの打ち上げ
30-31日 衆院代表質問
30-2月1日 第24回国連軍縮会議in静岡(静岡)
31日 欧州議会委員会(ブリュッセル)
31日 欧州外相理事会(ブリュッセル)
31日 欧州委員会、最も革新的な地域プロジェクトに贈られる「レジオスターズ(RegioStars)」賞授賞式(ブリュッセル)
31日 欧州委員会、欧州平和プログラム会議(ブリュッセル)
31日 九州電力の電気料金値上げ認可申請等に関する公聴会(福岡市)
31日 経産省、12月鉱工業生産発表
31日 財務省、外国為替平衡操作の実施状況発表
31日 米12月個人所得、個人支出、PCEデフレーター 、新規失業保険申請件数、1月シカゴ購買部協会景気指数発表
31日 ブラジル12月雇用調査(失業率など)発表
31日 南ア12月生産者物価指数、貿易収支発表
31-2月1日 欧州地域委員会本会議(ブリュッセル)
31-2月4日 ブリュッセルホリデーフェア2013(ブリュッセル)
高村正彦自民党副総裁、特使として中国に訪問
2月1日 リヒテンシュテイン議会選
1日 欧州統計局、12月失業率発表
1日 総務省、12月雇用統計発表
1日 厚労省、12月有効求人倍率
1日 ユーロ12月失業率発表
1日 中国1月製造業PMI発表
1日 ブラジル12月鉱工業生産指数発表
1日 米国1月雇用統計、1月ミシガン大消費者信頼感指数、12月建設支出、1月ISM製造業景況指数発表
1-3日 第49回ミュンヘン安全保障会議(ミュンヘン)
2日 イスラエル2012年外国為替相場発表
3日 キューバ議会選
3日 中国1月非製造業PMI発表
3日 米、第47回スーパーボウル開催(ニューオーリンズ)
3-4日 イタリア・ラツィオ州議会選挙


【来週の予定】
4日 欧州評議会、一般問題理事会(ブリュッセル)
4日 第216回国連投資委員会(ニューヨーク)
4日 国連開発計画(UNDP)、国連人口基金(UNFPA)、国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)、ユニセフ、国連世界食糧計画(WFP)と国連女性機関の合同会議(ニューヨーク)
4日 ユーロ圏12月生産者物価指数
4日 米12月製造業受注指数
4日 トルコ首相、チェコ訪問
4-5日 仏首相、タイ訪問
4-6日 第21回独立監査諮問委員会(ニューヨーク)
4-6日 第58回国連国際商取引法委員会作業グループⅡ(仲裁及び調停)(ニューヨーク)
4-7日 鉱業会議「マイニング・インダバ」(南ア・ケープタウン)
4-7日 欧州議会本会議、委員会(ストラスブール)
4-7日 第3回国際eラーニング・遠距離教育会議(リヤド)
4-8日 EU・アルメニアFTA交渉会合(ブリュッセル)
4-8日 国際海底機構、法および技術委員会(キングストン、ジャマイカ)
4-8日 子どもの権利委員会、第63回プレセッション作業グループ(ジュネーヴ)
4-8日 第106回国際麻薬取締委員会(ウィーン)
4-9日 経団連幹部がミャンマー、カンボジアを訪問
5日 ユーロ圏12月小売売上高
5日 米1月ISM非製造業景況指数
6日 ウェリントン休場(ワイタンギデー)
6-8日 第6回東アフリカ石油会議・展示会(タンザニア・アルーシャ)
6-15日 国連社会開発委員会第51回会議(ニューヨーク)
7日 欧州中央銀行(ECB)理事会(フランクフルト)
7日 第10回国際教育協力日本フォーラム(JEFX)(東京)
7-8日 EU首脳会議(ブリュッセル)
8日 米国12月貿易統計発表
9日 チュニジア大統領、ガザを初めて訪問
10日 モナコ議会選挙
10日 復興庁設置から1年
10日前後 メキシコ2013年1月消費者物価指数、12月鉱工業生産指数発表


宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問