キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。
2011年10月13日(木)
[ 2011年DC道場 ]
今日はかねてから懸案になっていた、テロ行為を働いた米国人から国籍を剥奪することを目的とする法案が提出された。昨年、提出されたときは「TEA法」と名付けられていたことはすでに書いたが、今回はティーパーティと関係がないことを明確化するために、「敵対者国籍剥奪法(Enemy Expatriation Act)」と名付けられている。その内容は、草案をめぐる、先週はじめからの議員スタッフ間の議論が反映され、より説明的になり、明確化されたといえよう。
法案提出直前の昨日、イランのパスポートを所持し、かつ米国籍を持つアルバブシアおよびシャクリ両名が、駐米サウジ大使を暗殺しようとしたとの容疑で逮捕されたことは、本法案を後押しするものではあるが、本法案には民主党内からの批判が根強く、成立の可能性は高くないとのことである。
なお、今日、米国の議会は米韓FTAの実施法案を可決した。(了)
道下徳成 政策研究大学院大学准教授・PAC道場第1期生