キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。
2011年10月8日(土)
[ 2011年DC道場 ]
政治の世界には、「金帰火来」という表現がある。金曜の晩に選挙区に帰って週末を後援会活動に費やし、火曜の朝に国会に戻ってくるという、国会議員の多忙な様子を表す言葉である。米国の下院でも同様であり、今日は議員が地元に行っているために、事務所のスタッフもかなりリラックスしている。そして、議員がいない時に皆で食事に行こうと計画するところも、永田町でよく見る風景だ。因みに今夜は事務所近くのタイ料理で、なかなか美味しかった。よく見る風景と言えば、永田町では国会見学が頻繁に行われており、後援者や地元の依頼を受けて秘書が国会議事堂及び周辺施設を案内して回る。DCのキャピタルヒルでも、同様の光景をよく目にする。いずこでも秘書の業務は同じだと思うと、親近感も沸いてこようというものだ。かくいう私も、本日は「米国版国会見学」に連れて行ってもらった。引率してくれたのは、日系4世のジョージタウン大学に通う学生インターンである。
DCの街は、この連邦議会議事堂を中心に作られている。議事堂の中に街の起点となるポイントが示されており、街の東西南北の表示はそのポイントから見てのことだという。米国政治の中心の、そのまた中心に立ちながら、これからの国際政治の中心は果たしてどこになるのかな?と取り留めのないことを考えてみる。もう一つ印象的だったのは、こちらの議事堂にはやたらに彫像が林立している点である。それぞれの州の有名人の像であり、例えばハワイ州はカメハメハ大王である。彫像専用のホールなどもあったりして、国の歴史を作ってきた人物に対する崇敬の念が大変篤いようだ。その他にも歴史的価値のあるものが多数あり、DCに行かれる方には是非お勧めしたい。議員事務所に頼まなくても見学はできるが、事務所のスタッフと行くと普通は入れないところまで入れてもらえたりする。
柄山直樹 PAC道場第2期生