外交・安全保障グループ 公式ブログ

キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。

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2011年10月7日(金)

DC道場フェロー・レポート(下院編・10月6日)

[ 2011年DC道場 ]


 二日目。やはりベルトはして出かけることにし、金属探知機で外すという作業を毎朝繰り返すことにした。
 本日は、予てより興味のあったHomeland Security委員会を傍聴した。今日は、Homeland Securityにクラウドコンピューティングを用いて大丈夫か?ということについて、有識者からヒアリングを行った。自民党の小泉政権だった10年前、日本でも電子政府の議論が一時盛んになったことがある。自民党の特命委員会がドライバーになって、システム導入に消極的、若しくは大手ITベンダーに丸投げして言い値で予算をつけていた役所に対し、政治主導でメスを入れた好例である。私も電子政府政策関連のロビー活動を行っており、自民党政権の最後の頃にはクラウド導入の活動にも携わった。しかし、政権交代を潮にクラウドの議論は盛り上がらなくなっていった。
 米国では行政が普通にクラウドを導入しており、国防総省の一部システムでも利用されていると聞く。そして、Homeland Securityのような防犯・対テロといったセンシティブな領域でも導入が真剣に議論されている。セキュリティレベルに問題ないという結論になれば、導入に舵を切っていくだろう。電子政府の分野では、少なくとも日本は米国の野心的に取り組む姿勢を見習った方が良いのではないかと思う。行政の分野であっても、「間違いが起こってはいけないから、やらない」のではなく、「どうしたら間違わずにできるか」に挑戦することも、大切ではないかと思う。


柄山直樹 PAC道場第2期生