外交・安全保障グループ 公式ブログ

キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。

  • 当サイト内の署名記事は、執筆者個人の責任で発表するものであり、キヤノングローバル戦略研究所としての見解を示すものではありません。
  • 当サイト内の記事を無断で転載することを禁じます。

2011年7月11日(月)

外交・安保カレンダー(7月11日-17日)

[ 2011年外交・安保カレンダー ]


 7月10日にパネッタ新国防長官がアフガニスタンを訪問した。今後は米軍のアフガニスタンからの撤退が早まるかどうかが焦点となる。国内政治的にはオバマ政権として撤退計画を粛々と進めたいところだろうが、そう簡単にいくだろうか、要注意だ。
 先週は江沢民前総書記の死亡報道が流れたが、結局公式発表はなかった。共産党の総書記ともなると簡単には「死ねない」ということか。党創立90周年式典に欠席した時点で体調でも悪いのかと思ったが、やはり重病だったのだろう。
 これで完全に江沢民抜きの中国政局が動き始める。チャイナウォッチャーは忙しくなりそうだ。中国といえば、7月9日に独立した南スーダンについて早くも中国と米国が鍔迫り合いを始めたといった報道があるが、如何なものか。
 中国のアフリカにおける関心は政治よりも経済中心のようであり、米国とは異なるゲームをやっているような気がする。米国にとってキリスト教徒の多い南部スーダンは、資源もさることながら、国境紛争や民主化の行方により関心がありそうだ。

11-12日 ラブロフ・ロシア外相、訪米
 ロシア外相ともなると、オバマ大統領に会えるようだ。日本の外相が訪米して副大統領に会うことも滅多にないことを思えば、やはりロシアは大国なのだろうか。

11日 ブラジル高速鉄道事業権入札締め切り
11日 非公式ユーロ圏財務相会合(ベルギー・ブリュッセル)
11日 世界人口の日
11-12日 ブゼク・欧州議会議長、アイルランドを訪問
11-12日 トルコ大統領、ブルガリア訪問
11-12日 EU環境相理事会(非公式、ポーランド・ソポト)
11-29日 国連人権委員会、第102回会期
12日 イラン外相、オーストリア訪問
 核疑惑問題でEUと米国関係者と協議が行われる予定だが、イランが態度を変える可能性は低いだろう。

12日 プーチン・ロシア首相、ベラルーシ首相及びカザフスタン首相と会談(モスクワ)
12日 米貿易統計(5月)発表
12日 EU経済・財務相(ECOFIN)理事会(ベルギー・ブリュッセル)
12日以降 再生可能エネルギー特別措置法案、衆議院で審議入り
13-14日 シリア・イラン合同経済委員会開催(ダマスカス)
 イランがシリア国内の騒乱事件を如何に見ているかに注目したい。但し、両国がこの問題に触れる可能性はあまりないだろうが。少なくとも、今のイランがシリア体制崩壊を望んでいる可能性は低い。一方、今のイランにシリアを救う能力もない。所詮両国は弱者同盟ということか。

14日 スーダン、ダルフール和平合意に調印?
 スーダンがすんなりと署名するだろうか、要注意である。

14-15日 EU外相理事会(非公式、ポーランド・ソポト)
15日 第二次補正予算、衆院へ提出
15日 米海軍ミサイル駆逐艦チャンフーがベトナムに寄港
 米国のイージス艦がベトナムの港に寄港するというのだから、時代は変わったものだ。明らかに現在の中国の南シナ海政策は失敗である。なぜそんな簡単なことが人民解放軍関係者には分からないのだろうか。

15日 欧州各国銀行の第二次ストレステスト結果発表
15-23日 ASEAN外相会合(インドネシア・バリ)

【来週の予定】
18日 ネルソン・マンデラ国際日
18-19日 EU一般問題理事会(ブリュッセル)
18-19日 EU司法・内務相理事会(非公式、ポーランド・ソポト)
18-19日 EU農水相理事会(ベルギー・ブリュッセル)
18-22日 ジョン=キー・ニュージーランド首相、訪米
19-21日 米商務省産業安全保障局輸出規制・政策2011年進捗状況会議
20日 カナダ中銀、金融財政報告書発表
20-22日 EU競争担当相理事会(非公式、ポーランド・ソポト)
21日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(ドイツ・フランクフルト)
22日 EU経済・財務相(ECOFIN)理事会(ベルギー・ブリュッセル)
23日 ラトビア国民投票(国会解散の是非)
24日:日アナログテレビ放送が終了、地上デジタル放送に移行


宮家 邦彦  キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問