キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。
2011年2月21日(月)
[ 2011年外交・安保カレンダー ]
今週予想される動きと留意点を取り纏めました。これらは「事前予想」ではなく、あくまで研究者としての「心構え」です。
今週もまた主役は中東である。特に、リビアであれだけ激しい反政府デモが起きるとは正直想定していなかった。しかし、リビア軍・治安部隊が民衆に発砲したこと自体は驚かない。この点はバハラインやイランの場合も同様だ。
(ちなみにBahrainの正確な発音は「バハライン」であり、「バーレーン」とは英語式発音による通称に過ぎない、「バハライン」はアラビア語で「海」を意味する「バハル」の双数形から派生した固有名詞である、どうでも良い事かもしれませんが...)
普通の独裁国家では民衆に対する「発砲」、「武力弾圧」は当然であり、むしろエジプトが例外なのかもしれない。そうだとすれば、今後も当分中東各地で流血の惨事が続く可能性は高い。問題はこれらの「騒乱」が各国の「政変」に結びつくかどうかであるが、この点については各国別にそれぞれ詳しく検証していく必要があると思う。
2月21-24日 ナイジェリア石油ガス見本市(アブジャ)
2月21-24日 第11回「Ecology of Big City 2011」(環境、サンクトペテルブルク)
2月21-25日 イスラエル・ペレス大統領、スペイン訪問
ペレス大統領に政治的実権はないが、イスラエルが最近の中東情勢を如何に見ているかは極めて重要だ。イスラエルが対アラブ政策を再検討している可能性は高く、今後要注意だろう。
2月21-23日 ザルダリ・パキスタン・イスラム共和国大統領の来日
2月21-24日 伴野外務副大臣、国際エネルギー・フォーラム(IEF)特別閣僚級会合出席
2月21日 衆院予算委員会「政治とカネ」集中審議
「政治とカネ」は重要だが、もっと重要な懸案があるような気がする。
2月22-24日 「Eilot 2011」(環境関係国際会議、イスラエル・エイラット)
2月22日 WTO一般理事会(ジュネーブ)
2月22-24日 第5回国際太陽エネルギー産業・太陽光発電展覧会(上海)
2月22日 衆院予算委員会・中央公聴会、民主党倫理委員会が小沢一郎元代表を聴取。常任幹事会で「党員資格停止」処分決定?
2月23日 第4回国際漫画賞授賞式
この授賞式も今年で4回目を迎えた。一昔前は「文化交流に漫画なんて!」などと大いに叱られたものだが、今では誰もそんなことは言わない。時代は変わったものである。
2月23日 税制改正関連法案、特例公債法案が衆院財務金融委員会で審議入り?
2月23日 09年衆院選をめぐる「1票の格差」訴訟で最高裁大法廷弁論
2月23日-3月12日 ジャナドリヤ祭(サウジの伝統・文化祭典、リヤド)
2月24日 子ども手当法案が衆院本会議で審議入り
2月25-27日 北京自動車用品・改造自動車展覧会「CIAACE 2011」
2月26日 国連東ティモール統合支援団(UNMIT)任期満了?
2月26-28日 金属・鉄鋼加工展示会(カイロ)
最近はエジプトからのニュースが極端に減ったような気がする。「熱し易く、冷め易い」、いかにもエジプト人らしい展開だ。あの「憲法改正委員会」は一体どうなったのだろうか。どうやら、このままでは「軍主導の現状維持」が現実味を帯びてくるかもしれない。
2月27日 チリ地震から1年
【来週の予定】
2月28日 「政府と経済」に関する第1回国際コンファレンス(テヘラン)
2月28日-3月13日 APEC高級実務者会合(ワシントン)
2月28日予算案が衆院予算委員会で可決?
3月1-3日 エネルギー会議2010(ヨハネスブルク)
3月1-3日 第2回ウクライナエネルギーフォーラム(キエフ)
3月1-5日 情報通信見本市「CeBIT」(独・ハノーバー)
3月2-3日 東南部アフリカ共同市場(COMESA)バンキング・電子マネー会議(ナイロビ)
3月2日 ASEANインド・ビジネスフォーラム(ニューデリー、6日まで)
3月2日 予算何の年度内自然成立の衆院通過期限
3月3日 ジュネーブ国際自動車ショー
3月5日 中国、全国人民代表大会開幕
3月5日 東北新幹線の東京・新青森間に新型E5「はやぶさ」運行開始
3月6日 湾岸環境フォーラム2011(ジッダ、8日)
3月6日 エストニア議会選挙
宮家 邦彦 キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問