キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。
2011年1月17日(月)
[ 2011年外交・安保カレンダー ]
昨年10月に試験的に作り始めた外交・安保カレンダーですが、今週から本格的に再開します。 今週予想される動きと留意点を取り纏めてみましたが、これらは決して「事前予想」ではなく、あくまで研究者としての「心構え」であることは変わりません。
1月17日 湾岸戦争開戦から20年
早いもので、1991年の湾岸戦争からもう20年になる。振り返ってみれば、あの時から日本の凋落が始まったと見るべきか。それとも、あれが日本の変革の始まりだったのか。後者だと信じたいが、まだ結論は見えていない。
1月17日 ミャンマーで新議会発足
ミャンマーでの新しい動きを受けて、16日、ASEAN諸国は対ミャンマー制裁の解除を求めた。この新議会で同国の政治が大きく変わるとは思えないが、戦略的に見れば、欧米諸国の対ミャンマー政策はそろそろ政策変更が必要なのかもしれない。
1月17-18日 アジア金融フォーラム 2010(香港)
1月17-19日 中国・回良玉副総理、モーリシャス、ザンビア、コンゴ、カメルーン、セネガル訪問
回良玉副総理は農業担当、胡錦濤総書記の訪米ばかりが注目されるが、中国は様々な批判にもかかわらず、着々とアフリカでのプレゼンスを高めている。今回の歴訪でどの程度成果が上がるかは分からないが、やはり継続は力だ。民主的議会のない国の外交は侮れない。
1月17-19日 ベトナム共産党第11回党大会、人事刷新へ
ミャンマーと同様、ベトナムでも指導部が変わる。対中政策との関連でここも押さえておきたい国の一つだろう。
1月18日 ウクライナ大統領来日
1月18-20日 胡錦濤総書記訪米、19日に米中首脳会談、20日にはシカゴ訪問
注目の訪米であり、詳しくフォローしたい。特に、最近の人民解放軍の自己主張を強めつつある動きには要注意であり、胡錦濤総書記が何を語るか、語らないかが気になるところだ。
1月19日 メドベージェフ露大統領、アッバース・パレスチナ大統領と会談
1月19-20日 北澤防衛大臣、沖縄訪問
1月19-23日 ロシア国防省委員会、択捉・国後島を視察
1月20日 オバマ米大統領就任から2年
2012年の大統領選挙が事実上始まる。まずは、来週の一般教書演説に注目したい。それにしても、米国の大統領は実に忙しい。これからはキャンペーンの合間に統治もしなければならず、体が幾つあっても足りないだろう。
1月20日 中国、2010年のGDP統計を発表
成長率もさることながら、本当のインフレ率がどの程度か気になる。中国当局は経済引き締めを進めているようだが、アクセルを踏みながらブレーキを掛ける「綱渡り」運営ができる中国当局が羨ましい。
1月20-21日 イランのIAEA特使、ロシア訪問
1月20-22日 トルコでイランとEUアシュトン委員が核問題で協議
イランの核開発は技術的にかなりの遅れを蒙ったといわれるが、イランは相変わらず必死の努力を続けているようだ。イラン関連では、核問題よりも、レバノン・ヒズボラの動きの方が気になる。同国では連立政権が崩壊し、政局が急速に不安定になっているからだ。
1月22日 ナイジェリア大統領選
1月23日 自民党大会
1月23日 ポルトガル大統領選
1月23-25日 中国・ASEAN外相会合
【来週の予定】
1月24日以降 通常国会召集、施政方針演説?
1月24日 ジュネーブ軍縮会議第一回会期(4月1日まで)
1月25日 米オバマ大統領一般教書演説
1月26日 WTO非公式閣僚会合(スイス・ダボス、30日まで)
1月26日 世界経済フォーラム年次総会(スイス・ダボス、30日まで)
1月26日 ユドヨノ・インドネシア大統領、インド訪問
1月26-28日? 衆参両院で代表質問
1月28日 米国スペースシャトル・チャレンジャー号事故から25年
1月28日 たちあがれ日本、拡大支部長会議
1月29日 みんなの党、党大会
1月30日 山梨県知事選
宮家 邦彦 キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問