キヤノングローバル戦略研究所外交・安全保障グループの研究員が、リレー形式で世界の動きを紹介します。
2010年9月20日(月)
[ 2010年外交・安保カレンダー ]
外交安保関係で今週予想される動きと留意点を取り纏めました。「事前予想」ではなく、あくまで研究者としての「心構え」です。勝手ながら、今週から執筆・掲載時間を月曜日夜に変更いたします。日曜日の夜中に書くのは物理的にもかなりシンドイのです、ご理解ください。
9月20〜24日 第54回IAEA通常総会(ウィーン)
22日からイランのサーレヒ・イラン原子力エネルギー機構総裁が参加し演説を行う予定だが、状況の進展は期待薄であろう。
9月20~24日 インド海軍司令官、訪米
インド海軍のNirmal Verma提督が訪米し、国防関係者と米印軍事協力について協議するらしい。人民解放軍関係者は、米国が中国海軍「封じ込め」のため新たな手を打ってきたと感じるに違いない。インド人はそう易々と米国の求めに応じるとは思えないが、要注意の動きである。
9月20~30日 豪州海軍艦船一隻が中国海軍と共同海難救助訓練を実施
豪海軍艦船は広東省と青島を訪問。日米海軍が人民解放軍海軍との交流を停滞させる中で、豪州海軍がコンタクトを維持しているのは重要なことだ。上記の米印海軍の動きとの関連でも興味深い。
9月22〜24日 中秋節連休(中国、香港)
今年の中秋の名月は、日中関係者にとってあまり楽しいものにはなりそうもない。昨日北京出張から帰国したが、こちらに戻ってきて、日中政府間のパーセプションギャップが如何に大きいかを痛感した。今回のこじれ状態解決には、今後「年単位」の時間がかかるかもしれない。
9月22日 菅首相、国連総会へ出発 23日 日米首脳会談開催
今の状況では普天間は「棚上げ」しかないか。最大のポイントは尖閣問題でオバマが何と言うかだろう。24日は国連総会で演説し、25日深夜に帰国する予定。
9月26~30日 ロシアのメドベージェフ大統領、旅順、上海、北京訪問
訪問中に中露が「対日戦勝65周年に関する中露共同声明」を発表するという。メドベージェフが尖閣で何を語るかも気になる。
【来週の予定】
9月30日 米商務省、10年第2四半期GDP発表(確定値)
10月1〜7日 中国国慶節休暇
10月2日 ラトビア総選挙
10月3日 ボスニア・ヘルツェゴビナ議会総選挙
10月3日 ハンガリー統一地方選挙
10月上下旬 (日本)臨時国会召集
10月? 第5検察審査会が2回目の議決?
宮家 邦彦 キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問