ワーキングペーパー  エネルギー・環境  2026.09.29

ワーキング・ペーパー(26-024J)日本の日射強度の増大と体感温度への影響

国の長期観測、東京・大阪の晴天時の日射、人体と路面の熱収支による試算

本稿はワーキングペーパーです。

地球温暖化

平易な概要

日本では地表に届く日射量が広い範囲で増えている。東京では8月の日射量は過去50年で26.3%も増加した。正午前後に限って晴天時の日射強度を比較すると、1989~1998年から2016~2025年に東京で12.1%、大阪で18.7%増えていた。この日射強度の増加に加え、照り返しと路面温度の上昇による赤外線放射を考慮すると、体感温度ATは東京で約1.4℃、大阪で約2.1℃上昇すると試算された。二つの比較期間の中央年の差27年で換算すると、東京では約0.52℃/10年、大阪では約0.79℃/10年に相当する。晴天時の日射が強くなり、気温の上昇に加わる形で、屋外の暑さを厳しくする要因となっていることが示された。

要約

全国の1982~2025年の観測を比較すると、通年では46地点中45地点、8月では43地点で全天日射量が増加傾向にあった。増加は一様ではなく、東京・大阪では10年当たり約8~10 W/m²と大きく、北海道などには小さい地点や減少した地点もある。

東京・大阪の7~17時を対象に、日照がほぼ途切れない時間帯を選び、時刻と季節の構成をそろえると、1989~98年から2016~25年に晴天時の日射強度はそれぞれ12.2%、18.5%増えていた。1975年まで遡って雲量の少ない日の日射量を比較した結果も、晴天時の日射強度が強まったことを示唆する。日射量の増加には、晴れる時間の増加に加えて、晴れている間の日射強度の強まりが寄与している。

正午前後の暑さへの影響を調べるため、11~13時における晴天時の1時間平均日射強度を別途集計した。同じ二つの期間の差は、東京で93.2 W/m²(12.1%)、大阪で140.8 W/m²(18.7%)であった。この増加量を人体と路面の熱収支計算に用いると、体感温度ATの上昇は東京で1.41℃、大阪で2.13℃となった。なお一方では、日照時間も増加していることから、日射を受ける時間や路面の蓄熱への影響が別途考えられる。

本稿の特長は、全国の日射量の長期変化を整理するとともに、東京・大阪の正午前後の観測から日射強度の増加量を求め、気温上昇とは区別して体感温度への影響を試算した点にある。
 

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