ワーキングペーパー エネルギー・環境 2026.08.31
地表、ラジオゾンデ、衛星観測および再解析における気温の比較
本稿はワーキングペーパーです。
本稿では、1979年以降の日本の地表付近および上空の気温について、CMIP6の個別モデルと、地表気温観測、ラジオゾンデ観測、衛星による下部対流圏気温、JRA-3Q再解析を、年ごとの推移と10年当たりの気温上昇率の両面から比較した。上空では、日本国内13地点の850、700、500 hPaの気温を比較した。衛星による下部対流圏気温(TLT)は、高度ごとの気温を異なる重みで合成した指標である。本稿では、UAH v6.1に対応する高度別の重みをラジオゾンデ、JRA-3QおよびCMIP6の鉛直気温分布に適用し、衛星系列と比較するためのTLT相当気温を作成した。主要な衛星系列にはUAH v6.1およびNOAA STAR v5.0を用いた。なおJRA-3Qは観測データと数値予報モデルをデータ同化によって統合した再解析であり、独立した観測データではない。
三つの地表観測系列がそろう1979–2021年では、気温上昇率はCMIP6の40モデル平均で0.349℃/10年、気象庁で0.307℃/10年、KON2022で0.260℃/10年、堅田系列で0.302℃/10年であった。1979–2024年の850、700、500 hPaでは、ラジオゾンデがそれぞれ0.239、0.263、0.221℃/10年、JRA-3Q再解析が0.243、0.238、0.276℃/10年、CMIP6平均が0.334、0.344、0.346℃/10年であった。UAH v6.1との比較では、衛星観測値が0.168℃/10年、UAHに対応する高度別の重みを用いてラジオゾンデから作成したTLT相当気温が0.248℃/10年、同じ重みを用いたCMIP6平均が0.338℃/10年であった。1981–2024年では、NOAA STAR v5.0が0.196℃/10年、同じ期間のUAH v6.1が0.186℃/10年、UAH型のCMIP6平均が0.347℃/10年であった。すなわち、CMIP平均は衛星観測値を大きく上回った。
キーワード:CMIP6、地表気温、ラジオゾンデ、下部対流圏気温、UAH、NOAA STAR、JRA-3Q、再解析、TLT相当気温、気候モデル