『税務経理』2025年10月31日号で、「自転車の歩道爆走問題」について問題提起をさせていただいた。あれから約8カ月がたった。
2024年11月の道交法改正により、走行中の「ながらスマホ」や酒気帯び運転およびほう助に対して罰則規定が整備され、自転車への交通反則通告制度(いわゆる青切符)が導入されることとなった。そして、いよいよ2026年4月1日から、制度が開始された。
青切符の対象者は16歳以上の自転車利用者で、対象となる違反は信号無視、指定場所一時不停止、ながらスマホ、酒気帯び運転など113種類に及ぶ。反則金は違反に応じて3,000円〜12,000円程度となっており、ながらスマホは12,000円、指定場所一時不停止や傘差し運転は5,000円となっている。警察官から青切符を受け取り、定められた期間内に反則金を納付すれば、刑事裁判や家庭裁判所の審判を受けずに処理が完了する。
制度開始後、どのような成果が出ているのだろうか。2026年5月14日付けで、警察庁交通局交通企画課から広報資料「自転車に対する交通反則通告制度導入後1月間の運用状況について」が公表された。それによると、導入後1カ月間の青切符による告知件数は2,147件であった。内訳を見ると、「指定場所一時不停止」846件が最多で、「携帯電話使用」(ながらスマホ)713件、「信号無視」298件、「しゃ断踏切立入」156件、「通行区分違反」(右側通行)63件と続いた。
16歳未満に対しては原則、指導警告となっており、1カ月間の指導警告票交付数は135,855件であった。警察庁の「自転車の交通指導取締り状況」によると、2024年1,331,370件で、月単位になおすと、2024年は110,948件、2025年は1,101,710件で、同91,809件だった。それに比べると、増加していることがわかる。
今後も注視していく必要があるが、指導警告の増加はよかったのではないかと思う。若いうちから交通ルールを身に付けておかないと、大人になってから人を傷つける加害者になる可能性が強まるからである。指導警告や青切符により、若者の行動変容を促すことができれば、将来の日本の治安につながる。
しかし、まだ歩道や横断歩道の安全性が担保されたわけではない。子どもを乗せた電動自転車や中高生・成人の自転車の歩道爆走については、さらなる対応策の検討が必要である。今の高齢者は若い。元気な70歳以上の高齢者に対しての検討も重要である。