日本では2050年温室効果ガス実質ゼロを目標に掲げるグリーントランスフォーメーション(GX)計画の下でエネルギー基本計画が策定されるなど、脱炭素がエネルギー政策に優先されるという本末顛倒の状態にある。
だが脱炭素を正当化する気候危機説には科学的根拠はない。このことは米国気候作業部会報告等によって明らかにされてきた。食料生産の増加などCO2の便益は明らかである。その一方で台風などの災害の激甚化は統計的に確認されておらず、この状態は今世紀の終わりまで続くことはIPCCも認めるところである。
また日本が2050年までにCO2排出をゼロにしたとしても、それによる地球平均の気温低下は0.006℃以下に過ぎない。脱炭素政策は、費用対便益の観点から正当化不可能である。
一方で脱炭素政策の弊害は明白である。石炭の利用が抑制されることはエネルギー安全保障を損なっている。再エネの推進は光熱費高騰を招き経済を損なっている。政府計画どおりに進むと脱炭素には今後10年で150兆円が投資されるが、これは極めて効率の悪い投資であり経済を衰退させる。2040年断面での電気代は年間30兆円規模で増加するおそれがある。これは国税分の消費税収を上回る規模である。
以上のことから、脱炭素政策をただちに全廃することが日本の国益である。
脱炭素に関連する法令は増え続けてきたために、これを一括して廃止するためには束ね法が必要になる。本稿は、その提案である。