ワーキングペーパー  エネルギー・環境  2026.06.24

ワーキング・ペーパー(25-0010J)メガソーラーによる湿原損失のライフサイクルCO2分析

本稿はワーキングペーパーです。

地球温暖化 エネルギー政策

要約

湿原を破壊してメガソーラーを建設する場合に、温暖化対策としての効果がどの程度損なわれるかを概算する。太陽光発電は発電時にCO2を直接排出しないが、設備の製造にはCO2排出が伴う。さらに湿原、とくに泥炭を含む低層湿原では、長い年月をかけて蓄えられた炭素が、造成、排水、乾燥化によって大気中に放出されるおそれがある。また、湿原が毎年CO2を吸収・蓄積する働きも失われる。

計算では、環境省資料に示された低層湿原の炭素蓄積量とCO2吸収量を用い、事業用太陽光発電の発電量は政府資料に基づいて設定した。評価では、太陽光設備の製造に伴う排出、湿原に蓄えられた炭素の放出、湿原の年間CO2吸収機能の喪失を分けて扱った。

湿原に蓄積されていた炭素が全量CO2となって放出されると想定した場合、太陽光発電によるCO2削減でそれを取り返すまでの年数は、政府計画における2030年の電力排出係数を用いると約15年から21年となった。発電量が低い場合の感度分析では、約22年から31年に延びる。これは、湿原を改変してメガソーラーを建設すると、温暖化対策としての効果が大きく損なわれる可能性が高いことを示している。

キーワード:メガソーラー、湿原、泥炭、ライフサイクルCO2、炭素ストック、環境影響評価

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