ワーキングペーパー  グローバルエコノミー  2026.06.17

ワーキング・ペーパー(25-008J)俯瞰的に見た日本の物資動員計画:戦時経済運営に関する基本計画の構成と変化

本稿はワーキングペーパーです。

経済史

要旨

本論文では、日中戦争・太平洋戦争期に作成・運用された物資動員計画を、価格データを用いて金額に換算し、その展開を数量的・俯瞰的に検討した。物資動員計画は1938年の発足から1944年度に大幅に縮小される前まで、日本経済の総供給額(生産+輸入+移入)の50%前後を占める大規模な計画であった。政府・軍部はこの計画を用いて、国民生活の最低線を維持しつつ、戦争のために大量の資源を動員することを意図した。 国際情勢と戦局の展開によって、制約的な共通資源とされた輸入力と海上輸送力が減少して行く中、物動の実質供給額(1940年価格)は1940年度に大幅に増加した後、1943年度までその規模を維持した。物動の供給を支えた供給源は基本的には国内生産であり、物動供給額全体に占める国内生産の比率は、1940年度まで80%弱、正常な国際貿易がほぼ途絶した1941年度以降は、在庫を大量に使用した1942年度を除いて、90%前後となった。また物動の配当計画において、1940年度、まで85%前後だった民需への配分比率は、1941年度以降低下したが、1944年度に物動の規模が縮小されるまで70%台を維持した。

Key words: 戦時経済、物資動員計画、資源配分の計画化、軍需と民需、日本
JEL classification numbers: H11, H56, L52, L78, M45, O21

全文を読む

ワーキング・ペーパー(25-008J)俯瞰的に見た日本の物資動員計画:戦時経済運営に関する基本計画の構成と変化