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監訳 キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 杉山大志 訳 木村史子 本稿はマーク・P・ミルズ |
民間セクターによる人工知能(AI)への総支出は、現在、米国GDPの相当な割合を占めている。データセンターの建設費だけでも年間500億ドルを超え今後も増加傾向にあり、他の全ての商業ビル建設費の合計をすでに上回っている。
米国経済における構造的転換の兆候は、AIへの前例のない大規模投資、AIツールの急速な普及、国家安全保障への潜在的影響、社会におけるAIの影響をめぐる活発な議論、そして株式市場の高揚感といった要素が複合的に表れていることから見て取れる。
AIの大規模導入がもたらす影響の核心は、生産性向上である。生産性こそが、あらゆる経済において成長と繁栄を牽引する要素であるからだ。AIの民主化が米国の生産性成長を過去半世紀の平均水準まで引き上げるだけでも、今後10年間で現在の予測値より累積10兆ドル多く米国GDPを押し上げるだろう。