ワーキングペーパー  グローバルエコノミー  2026.04.09

ワーキング・ペーパー(25-020E)Short-run and Long-run Impacts of the Female Labor Force Mobilization in Japan during World War II

本稿はワーキングペーパーです。

経済理論

第2次世界大戦期の日本では軍需生産のために大規模な労働力の動員が行われた。青壮年男性を軍と彼らの労働力が必須の戦略産業に集中するため、政府は女性労働力で代替可能な特定の産業を指定して男性の就業を制限した。女性は、「不要不急産業」の男性労働者とともに、主要な労働力の供給源と見なされた。男性労働者の就業制限の程度が産業間で異なっていたことに着目し、この論文では1920年-1970年の産業別パネルデータを用いて、第2次世界大戦が女性の労働参加率に与えた影響を分析した。その結果、男性の就業制限の対象となった産業では、1940年から女性労働者比率が上昇したこと、およびその影響は1970年にも持続したことが明らかになった。さらに個別銀行に関するケース・スタディーから、戦時中、主要銀行では女性行員比率が大幅に上昇したこと、その背景には内部組織・規程の変更等、さまざまな経営努力があったことが示された。本論文ではさらに、三菱銀行について、1936年、1944年、1952年、1960年の行員名簿を用いて女性従業員の異動を観察し、その結果、1936年から1944年にかけての新規雇用者のうち79.9%は1952年までに退職した一方、20.1%(459名)は雇用が継続したこと、同行は戦後も女子行員の大量採用を続けたことが明らかになった。この結果は、同行が、女子行員を大量採用し戦前よりはばひろい職務に割り当てるという戦時期に導入された採用・人事管理政策を戦後も継続したことを示している。ケース・スタディーから得られたこれらの発見は、全国データの分析によって得られた男女別就業構造の持続的変化の理由を説明するものである。


本稿は2025年9月4日に公開、2026年4月に改訂したものです。

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ワーキング・ペーパー(25-020E)Short-run and Long-run Impacts of the Female Labor Force Mobilization in Japan during World War II