論文  財政・社会保障制度  2026.01.09

イギリスの年金改革 —高齢女性に対する貧困と男女格差の是正対策—

月刊『生活経済政策』No.336、2025年1月号に掲載

税・社会保障

日本では女性の年金受給額が男性よりも低いことが注目された

2024年7月の年金の財政検証結果が公表された際に、女性の年金受給額が男性に比べて低いことがメディアで大きく取り上げられた。厚生労働省の2022年の年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)によると、男性の公的年金受給額の平均は192.6万円で、女性の平均は120.7万円であり、男性平均の6割程度しかない。高齢女性の所得保障に公的年金は重要である。高齢社会が進むにつれて、低年金や無年金の高齢単身女性の貧困が懸念されている。

日本では、年々、共働き世帯が増えているが、正社員として生涯働く単身女性もいれば、結婚・出産・育児・介護などのタイミングで専業主婦になったり、パートタイムで働いたり、離別や死別によって再び働いたりする単身女性などがおり、女性のライフスタイルは多様である。女性の年金額が男性に比べて低くなりがちなのは、従来からの年金制度や男女の賃金格差などが理由である。国民年金には第3号被保険者制度があり、離別・死別を起因に低年金になるケースもある。第3号被保険者とは、年収130万円未満の国内に居住し、第2号被保険者に扶養されている配偶者を指す。

イギリスでも、従来の年金制度から生じる男女格差は高齢女性の貧困を招いている。普遍的な高齢期の生活保障を目指した年金制度であるため、長年、高齢女性の貧困や年金の男女格差(ジェンダーギャップ)について議論されており、年金改革が取り組まれてきた。本稿では、イギリスの年金改革のうち、女性の年金に関する部分に焦点をあて検討する。イギリスの直近までの年金改革を把握し、年金の男女格差、賃金の男女格差などの実態をとらえ、 日本への示唆を得る。


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