ワーキングペーパー グローバルエコノミー 2024.09.02
本稿はワーキングペーパーです。
論文名:貨幣経済モデルにおける市場参入費用と最適インフレ率に関する分析
本研究では、商品の買い手と売り手がマーケットに参入する際、費用を支払わなくてはならず、実際に参入するかどうかを費用対効果の観点から決定するような貨幣経済モデルを構築し、分析する。
本研究では、モデルにおける最適なインフレ率を導出し、そして買い手の市場参入コストが売り手の市場参入コストに比べ相対的に低いほど最適インフレ率の値は低くなることを示す。これは、参入コストが低くなると買い手のマーケットにおける混雑が生じるので、この損失を、インフレ率(貨幣保有のコスト)を下げることによって補う必要があるからである。
これらの結果は、近年、インターネット利用により消費者が買い物をする際の金銭的、時間的コストが低下する中で物価上昇率の低下が観察された理由となっている可能性を示唆している。
2024年8月20日に改訂したものです。
ワーキング・ペーパー(23-013E)Inflation and entry costs in a monetary search model