グローバル・エネルギー・モニターという団体が石炭火力発電動向に関する報告書を発表した。
分かり易い図がいくつかあるので紹介しよう。
まず2023年の1年間で、追加された石炭火力設備容量と(赤)、退役した石炭火力設備容量(緑)。世界の殆どは中国で、なんと47ギガワット(=4700万キロワット)追加。
これは日本の石炭火力発電設備の総容量55ギガワットに匹敵する! つまり中国は毎年日本1国分の石炭火力発電設備を建てている訳だ:
しかも、現在検討中(発表、認可前、認可後の合計)の石炭火力発電設備容量も、世界の殆どが中国にあって、なんと268ギガワット。日本の総設備容量の5倍もある:
現状の石炭火力発電の設備の総量で見ても、中国(1125ギガワット以上。この図は分かりにくいが説明は略)は日本(53ギガワット)の20倍以上もある:
つまり石炭火力発電が問題であるとするならば、それは何よりも中国の問題だということだ。
電気料金が高騰し、火力発電設備の不足で節電要請が年中行事のように繰り返される日本。それでもCO2を理由に石炭火力発電設備を減らすというのが日本政府の方針だが、愚かなことではないか。