ワーキングペーパー  グローバルエコノミー  2023.09.27

ワーキング・ペーパー(23-016E)Large Fires and the Rise of Fire Insurance In Pre-war Japan

本稿はワーキングペーパーです。

経済理論

本論文は、戦前期日本における火災保険の発展・普及に関して大規模火災(大火)が持った意味を検討している。その目的のために、ここでは火災保険と大火について約30年間にわたる道府県別パネル・データを構築した。

計量分析の結果は、大火は火災保険の新規契約数と契約更新数にプラスの影響を与えたことを示しており、これは火災保険会社が大火を利用して保険の宣伝を行っていたというアネクドートと整合的である。

また、火災保険契約の増加は特に放火による火災の増加をもたらした。火災保険の被保険者が付保された家屋に放火したケースがあったことは、アネクドートでも確認される。これらの結果は火災保険に関する極端なモラルハザードの存在を示唆している。

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ワーキング・ペーパー(23-016E)Large Fires and the Rise of Fire Insurance In Pre-war Japan