ワーキングペーパー グローバルエコノミー 2023.08.24
本稿はワーキングペーパーです。
この論文のテーマは地価バブルである。
3つの主要結果を導いた。まず、経済全体の不確実性がある状況下で、地価バブル定理を証明した。一見すると繋がりが遠いように見えるUnbalanced growth(不均斉成長)とElasticity of Substitution(代替の弾力性)と地価バブルが、理論的には関係性が深いことを明らかにした。
次に、短期的には地価がファンダメンタルズから乖離することがあっても、長期的にはファンダメンタルズに戻るという通常の見方とは異なり、経済発展に伴って、長期的なトレンドとして、地価がファンダメンタルズ価値から必然的に乖離することを証明した。
さらに、長期トレンドの周りを、地価が上がったり下がったりするが、ファンダメンタルズ価値を反映して揺れているのではなく、実は地価バブルの規模が拡大したり縮小しながらマクロ経済全体が変動し続けているという新しい見方を提示した。地価が大きく下がり、地価バブル崩壊に見える場合であっても、必ずしも完全崩壊しているわけではない。
この結果は、経済全体の不確実性があるもとでの繰り返しバブルの理論的基礎付けにもなっている。
ワーキング・ペーパー(23-014E)Unbalanced Growth, Elasticity of Substitution, and Land Overvaluation