ワーキングペーパー  グローバルエコノミー  2023.07.06

ワーキング・ペーパー(23-011E)Bubble Necessity Theorem

本稿はワーキングペーパーです。

経済理論

この論文は、資産価格バブルの必然性を証明した論文である。

一般に資産価格バブルとは、ある資産の価格が、その資産のファンダメンタルズ価値を超える状況を指す。ファンダメンタルズ価値はその資産が将来に渡って生み出す配当の割引現在価値で定義される。経済理論では伝統的に、バブルは生じない、たとえ生じる場合であっても特殊な状況でしか起こらないという見方が支配的である。

加えて、これまでのマクロ経済学におけるバブル理論は、貨幣タイプの純粋バブルを示すに留まっている。純粋バブルとは、配当を全く生まない資産に正の価格が付く状況を指す。さらに、純粋バブルの場合、起こるパターンは無限にあり、かつそもそもバブルが起こる理由はない。すなわち、これまでのマクロ経済学におけるバブル理論は、ある特殊な条件下のもとで、純粋バブルが起こるかもしれないという可能性を示すにとどまっている。

他方で、この論文が証明したことは、バブルの可能性ではなく必然性である。土地、不動産、住宅、株式などの配当を生み出す資産を考えた上で、市場経済が発達していくと、資産価格バブルが必然的に生じることを理論的に証明した。必然のため、避けることはできない。より具体的には、地価バブルが自然かつ必然的に生じる具体例を示した上で、マクロ経済学の主要モデルである、世代重複モデルと無限期間モデルの枠組みにおいて、バブル必然性定理を確立した。

全文を読む(英語)

ワーキング・ペーパー(23-011E)Bubble Necessity Theorem