東京都で太陽光パネルの新築住宅への義務付け条例案が検討されている。6月24日までの期限で一般からの意見募集(パブコメ)の受け付けが終わったところだ(東京都による意見募集ホームページはこちら)。
経済性、系統安定性、土砂災害、景観、ジェノサイドへの関与など、ここにきて問題点が噴出している太陽光発電だが、本稿ではさらに最近気づいた二つの問題点について述べよう。
火災の際、太陽光パネルに放水すると、水を伝って感電の危険があることはよく知られるようになった。消防庁資料の冒頭だけ紹介しよう(全文はこちら)。
消防庁が都道府県担当課に発出した太陽光発電に関する消防活動の留意点
消防の放水が問題になるぐらいだから、水害の場合にももちろん感電の危険がある。これは政府機関NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託で太陽光発電協会(JPEA)が作成した資料に説明がある。これも一部だけ紹介する(全文はこちら)。
水害時の太陽光発電システムに関する注意喚起
普通の電気であれば、大水害の時には送電線のスイッチをいったん切れば感電の心配はなくなるが、太陽光パネルは光が当たる限り発電を続けるので感電の危険がある。従って水害が起きやすい場所では太陽光パネルの設置には気を付けねばならない。東京都で特に心配なのは江戸川区だ。
江戸川区資料では、最悪の場合、最大で10m以上の浸水が1~2週間続くと警告されている。この資料は「ここにいてはダメです」という衝撃的なメッセージで話題を呼んだものだ。一部だけ紹介する(全文はこちら)。
江戸川区水害ハザードマップでは広域避難などを呼び掛ける
さて、大規模な水害が起きた時に、太陽光パネルは感電で二次災害を起こさないのだろうか。それによって復旧が遅れたりすることは無いのだろうか。
問題はもちろん江戸川区だけに止まらない。洪水が起きかねない場所は東京都の至る所にある。太陽光パネル導入を急ぐ前に、まずは安全性の確認が必要なのではないか。
「再エネ発電の一部で規律に課題、停電に至ったケースも」と、電気新聞が6月7日付で報じている。
記事によると、「送配電網協議会は6月6日、経済産業省などが開いた再生可能エネルギーの事業規律を強化するための有識者会合で、一部再エネ発電事業者の運用や工事面の問題を提起した。運用面では、給電指令を受けた再エネ事業者の認識不足と機器の誤操作で、系統が停電したケースがあったと報告」としている。
これについて説明しよう。再エネ事業者は、送電線・配電線を管理する送配電事業者の指令に従って、発電した電気を送電する。工事中の時などは、指令があれば、スイッチを切らねばならない。この電気新聞記事は、その指令に誤って従わなかった事業者がいて、停電が発生した、としている。
今回は再エネ事業者の「規律」の問題として扱われているが、もしもこの再エネ事業者が「悪意」を持っていたらどうするのか。
かつての電気事業者は日本の大企業ばかりだから、そんな心配は無かった。だが電力自由化と再エネ大量導入によって多数の事業者が参入した。中国系の企業も多い。
現代の戦争は「ハイブリッド戦争」であり、武力による攻撃に並行してインフラを攻撃するのは世界の常識になっている。
太陽光・風力を大量導入した結果、いまや日本の多くの地域で、瞬間的ではあるが電力供給の半分以上、九州に至っては7割を太陽・風力が占めることがある。経産省資料の図の最下段の赤枠がそれに当たる。
再エネ比率は九州が突出するが、他のエリアでも高くなっている
このうちのいったいどれだけが中国系の企業なのか。それが一斉に悪意を持って、送配電事業者に従わず、本国の命令によって送配電網のかく乱を試みたらどうなるのか。
例えば一斉に出力を落とす、あるいは過剰に出力する。他にも電気的にかく乱するさまざまな方法がありうるのではないか。同時多発的に各地で停電を起こしたり、その復旧を妨害したりすることで日本を混乱に陥れ、それに乗じて武力攻撃をしてくる可能性は無いのか。
杞憂であることを祈りたいが、早急に、再エネ事業者の実態の調査と対策が必要ではないか。