コラム  財政・社会保障制度  2022.05.27

医療の視点で読み解くウクライナ侵攻

医療政策 ウクライナ

2022224日、ロシアはウクライナへの軍事侵攻を開始した。当初、プーチン大統領は「特別軍事作戦」と称して民間人や民間施設は攻撃対象外としたが、核攻撃の可能性すら示唆して世界を震撼させた。核戦争へのエスカレートを恐れた米国をはじめNATOの西側諸国は、直接の軍事介入を控えた形でのウクライナ支持を明言し、直ちにロシアへの経済制裁を発動した。しかし、ロシアは民間人や民間施設まで巻き込み、戦争状態となった。

ウクライナ軍は当初劣勢と言われたが、西側諸国から兵器等の支援を受けて粘り強く抵抗している。この悲惨な戦争状態がいつ終わるのか、まだ先は全く見えない。世界には、新型コロナのパンデミックに加え、ロシアによる戦争という戦慄のシナリオが加えられた。しかし、国際平和を維持するはずの国連の安全保障理事会は、拒否権をもつロシアの反対で機能していない。果たして、第2次世界大戦後最悪と言われるヨーロッパでの戦争に、どう対処すればよいのであろうか。

ここでは、その問題を医学・医療の実践、研究、および理念の3つの視点からとらえてみたい。

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医療の視点で読み解くウクライナ侵攻