コラム  グローバルエコノミー  2022.05.26

中国経済の中核都市上海の封鎖長期化でマクロ経済は急減速|中国経済情勢/ヒアリング

~第2四半期のコロナ感染の影響が不透明なため先行きの予想が困難な状況~

<オンライン方式等による北京・上海面談報告(2022年4月18日~30日)>

中国経済

<主なポイント>

〇22年1Qの実質GDP成長率は、前年比+4.8%と、前期(同+4.0%)に比べ伸び率は高まったが3期連続で5%割れ。輸出の伸びは鈍化、内需は投資が回復。

〇輸出は、海外におけるコロナ感染の鎮静化を背景に他国の生産代替による下支え効果がほぼ剥落。一方、世界景気の回復を背景に電子機器等が輸出の伸びを下支え。

〇投資は、製造業設備投資が、環境規制の緩和を背景に素材産業を中心に設備稼働率と企業収益率が改善したほか、新型インフラ建設投資拡大への期待から堅調に推移。

〇不動産市場は、一部の主要都市市街地を除いて価格低下が続くとの見通しを背景に買い控えの動きが持続。不動産開発投資は低い伸び。不動産価格の反転時期は不透明。

〇インフラ建設投資については、政府のテコ入れを背景に伸び率が回復。

〇消費は、引き続き各地で小規模の新型コロナのクラスターが発生したため、飲食、交通、旅行関連の需要が影響を受けた。3月以降、上海を中心に影響が深刻化。

〇3月中旬以降、上海でコロナ感染が急拡大。4月入り後、一段と厳しい移動制限を実施したが、4月中旬には1日当たりの新規陽性者数は25,000名前後に達した。

〇都市封鎖は最長でも1週間程度で解除されると考えられていたが、人流、物流とも厳格に遮断された状態が長期化した。このため、食料や生活必需物資の欠乏が深刻化し、4月上旬は餓死を意識するほどまで追い込まれた人々も多かった。

〇中国がゼロコロナ政策を継続する理由は、第1に、農村部の医療水準の低さ、第2に、老人のワクチン接種率の低さを考慮すれば、コロナ感染が急拡大し、老人の多くが重症化するリスクが高いと判断されることによるもの。

〇上海の都市封鎖の長期化により、経済活動全体が停滞し、失業率(都市部調査失業率)が3月5.8%、4月6.1%と急速に雇用情勢が悪化している。今後史上最高の人数(1,076万人)に達する大卒(6月卒業)の就職難や企業収益の悪化などから、引き続き雇用情勢の悪化が続く可能性が高いと見られている。

〇中国経済を支える中核都市上海の封鎖が現在も続いている。第2四半期の状況次第で今年の中国経済は大きく左右される。コロナ感染状況の先行き見通しが立たない現状では、今後の経済についても予想のしようがないとの見方が大半のエコノミストの共通認識となっている。

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