メディア掲載  エネルギー・環境  2022.05.24

化石燃料調達に奔走する欧州

アゴラ(2022年5月13日)に掲載

エネルギー・環境

ロシアからの化石燃料輸入に依存してきた欧州が、ロシアからの輸入を止める一方で、世界中の化石燃料の調達に奔走している

動きが急で次々に新しいニュースが入り、全貌は明らかではないが、以下の様な情報がある。

  • 原子力発電所の廃止に追われるドイツではRWE、ヴァッテンフォール、シュタッグが2030年に予定されていた閉鎖期限をはるかに超えて石炭火力発電所を稼働させる準備を始めている。いまドイツの石炭会社は、ロシアがすべての天然ガスの供給を停止した場合に備えて、全速力で稼働する発電所を準備している。

  • ドイツでは昨年、電力供給のほぼ30パーセントを2600万キロワット近くの石炭火力発電所から得ていた。しかし、これまで予備としてしか利用できなかった他の石炭火力発電所によって、この合計が3400万キロワットまで引き上げられる可能性がある。さらにそれ以上の送電網から外れている石炭火力発電所もある。

  • イタリアのドラギ首相は最近、同国の石炭火力発電所を再稼働させる必要があるかもしれないと認めた。

欧州連合(EU)のグリーンニューディール担当上級副総裁兼気候変動対策欧州委員会のフランズ・ティメルマンス氏は、ロシアの天然ガスに代わる石炭燃焼を計画しているとしても、EU諸国はEUの気候目標からは外れていないと発表した。

だが、いま起きていることは、なりふり構わぬ化石燃料の調達であり、それによる世界規模での化石燃料価格の高騰だ。これが現実、ということであろう。