メディア掲載  エネルギー・環境  2022.05.09

ホッキョクグマはだいじょうぶ

心配しなくていい20の理由 (更新版)

NPO法人 国際環境経済研究所(IEEI)HPに掲載(2022年4月18日)

エネルギー・環境

スーザン・J・クロックフォード

前回掲載した記事の全文翻訳版です。


  1. ホッキョクグマは、いまも動物保護の一大成功事例です。40 年前よりホッキョクグマは増えています。
  2. 2010 年と比べて、減少している個体群は減りました(いまは公式には 1 群だけ)。データ不十分なのは6群だけです(かつては9)
  3. 急激な夏の海氷減少でも、予想されたようなホッキョクグマの個体数への影響はありませんでした。海氷は 2007年に20世紀半ばの水準まで減りましたが、言われていたようなホッキョクグマ壊滅は起こりませんでした。
  4. 2007年以来、氷のない季節は伸びてきているのに、チュクチ海の個体群は大繁栄しています。
  5. チュクチ海で夏に海氷が少ないおかげで、ホッキョクグマたちの獲物の数が十分に増えました。フイリアザラシは、主に氷のない季節にエサを探すからです。
  6. ホッキョクグマは、いくつかの地域で氷の状態が変わっても適応できています。
  7. 南ビューフォートの個体数は前回の調査から回復しました。
  8. バレント海の個体数は、海氷面積がはるかに減っているのに、2005年から増えたようで、まちがいなく減少はしていません。
  9. 2012年夏の記録的な低海氷で、南ビューフォートのホッキョクグマ個体数に被害を与えたという証拠はありません。
  10. むしろホッキョクグマの個体数が増えたことで、他の生物種、特に巣を作る海鳥やアヒルに悪影響が出ています。
  11. 西ハドソン湾個体数は、科学者たちがメディアに告げている話とは裏腹に、2004年以来安定しています。
  12. ハドソン湾の海氷は 1999年あたりから変わっていません。氷が割れる日や凍結する日は変動がきわめて激しいのですが、氷のない期間は 2004年と比べて2015年でも伸びていません。でも 2016年秋の凍結は、ここ10年で最も早いものになりそうです。
  13. チャーチルの「問題のあるホッキョクグマたち」は、痩せてもいないし飢えてもいません。
  14. マニトバ州チャーチルは、1983年と2016年に「問題のあるホッキョクグマ」が最も多かったところです。この二つの年は凍結が遅かった年ですが、2016年の出来事の多くは、2013年にホッキョクグマが人間を襲ったことで警備職員たちが監視を強化したおかげのようです。
  15. ホッキョクグマが海氷を最も必要とするのは春の食餌時期ですが、この時期の海氷減少はごくわずかです。
  16. 先住民による狩りがクマ個体数に影響しているという証拠はありません。
  17. カナダの大半では、クマにストレスをかけるような調査手法は廃止されています。
  18. 2011年以来、ホッキョクグマの共食いは報告されていません。
  19. ホッキョクグマは公害の影響は受けていないようです。研究は、そうした被害が理論的に可能だと示しているだけで、実際に起こっていると示してはいません。
  20. ホッキョクグマは過去の温暖期も生き延びてきました。ここから、将来の温暖期も生き延びる能力があるのは明らかです。

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