ワーキングペーパー  グローバルエコノミー  2022.04.07

ワーキング・ペーパー(22-005E)Controlling Funds Allocation for the War: The Experience of Japan in the Late 1930s

本稿はワーキングペーパーです

経済理論

本論文では1930年代後半の日本で、金融統制がどのように機能し、資金配分に影響を与えたかを検討する。金融統制の対象とされた規模の大きい企業については、「不要不急」とされた産業の企業とそれ以外の産業の企業の間の払込資本金増加率の差が、1937年度下期に統制が開始されると拡大した。他方で、借入金についてはこうした現象は見られず、1940年度下期に短期借入金が統制の対象に加えられた後にはじめて観察された。本論文では、金融統制の影響に関する検証を補強するため、統制の対象外とされた中小企業のデータも含めて分析を行った。「不要不急」とされた不動産業については、統制の対象とされた規模の大きい企業と対象外の中小企業の間の資本金増加率の差が、統制が開始された1937年度以降拡大した。一方で、優先された輸送用機械工業については、このような規模による不連続性は観察されなかった。これらの結果は、金融統制が実際に資金配分に影響を与えたことを強く示唆している。

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ワーキング・ペーパー(22-005E)Controlling Funds Allocation for the War: The Experience of Japan in the Late 1930s