メディア掲載  グローバルエコノミー  2021.07.28

コロナ禍におけるサービスロボット分野のビジネス・モデル変革

一般社団法人日本ロボット工業会 『ロボット』第261号に掲載

1.はじめに:コロナ禍の中のイノベーション

2020年初頭から新型コロナウイルス危機が地球全体を覆い尽くし、悲惨な状況は未だ続く様相を示している。コロナ禍の最中、国際政治経済社会は、ヒト・モノ・カネ・情報の流れのうち、ヒトが動けなくなった状態で活動を続けている。

モノに関しては、大量の個人用防護具(Personal Protective Equipment(PPE))やワクチンが中国や欧州の生産地から世界各地へ運搬され、カネと情報は、発達した情報通信技術(ICT)のおかげで新型コロナウイルス危機以前と同様、あるいはそれ以上に量的・質的に地球全体を巡っている。筆者自身も、海外に直接出かけて行き、様々な国際会議に出席することが不可能になる一方で、Zoomを利用することで国際的な会合に参加する機会が逆に増えたことを実感している。

我々は、ワクチンや、人工肺とポンプを用いた体外循環による治療であるエクモ(ECMO)といった物資の不足に悩まされる一方で、医療関係者や医療関連サービスに従事する労働力に著しい不足を感じている。こうした中、世界各地で懸命に働く医療関係者の負担を軽減すると同時に、感染防止策を講じるためにはどのような方法が存在するのか、我々は真剣に考える必要がある...

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コロナ禍におけるサービスロボット分野のビジネス・モデル変革