昨年来の新型コロナ世界大流行は戦後最悪の社会的状況を呈している。ジョンズホプキンス大学の統計によると、2021年3月31日時点で、世界の感染者数は1億2800万人、死者数は280万人に上る。およそ2%の致死率である。これは季節性インフルエンザの約20倍の怖さだ。わが国でも、同時点で感染者数は47万2000人、死者数は9124人を記録している。昨年末からの第3波の拡大を、緊急事態宣言の発令でなんとかしのいだとはいえ、春の陽気のたかまりもあって3月中旬以降、第4波の到来が懸念される状況だ。
2月から、まず医療関係者を対象に待望のワクチン接種が始まったが、その接種のペースは遅く、いつになれば国内の感染の沈静化に役立つのかまだ分からない。そもそも、医療と経済のいずれを優先すべきかで、これまで政治は揺らいできたが、政府内にも対策の手詰まり感が出はじめている。
そのような中での3月24日、厚労省職員23人が深夜まで会食をしていた事実が明らかとなった。そのような常識では考えられないような公務員の行動は、明らかに国民の政治に対する不信と規範意識を低下させる。本来、国民の模範であるべき霞が関のそのような失態は、何か理由はよく分からないが、日本人の常識が崩壊しつつあるのではないかとの怖ささえ感じさせる。