メディア掲載  エネルギー・環境  2021.03.26

温暖化関連ビジネスに潜むリスク

「環境管理」2021年2月号(Vol.57)に掲載

エネルギー・環境

はじめに

再生可能エネルギーや電気自動車など、温暖化関連ビジネスに乗り出す企業が増えている。だがそこにはいくつものリスクが潜んでいる。事業戦略決定の参考として提示したい。

① 2050 年CO2実質ゼロは実現不可能な目標であり、これを目指すことによって、日本はいっそう高コスト体質になる危惧がある。②かかる極端な対策を正当化するほど強固な科学的知見は存在しない。以上 2 点から実質ゼロ目標がいずれ取り下げられることは必定である。③いま投資家はCO2に注目しているが、やがて脱中国の圧力が一層強まるとみられ、事業者は対応を迫られるだろう。④実質ゼロを目指すことと経済成長と両立するには「実質」の意味を弾力的に解釈し、国内では高コストなCO2削減策を避け、海外における日本の技術の利用によるCO2削減を広範に勘定するほかない。


 1.国内でのCO2 排出ゼロは達成不可能な目標である

 2.科学は決着していない

 3.「CO2 ゼロ」で高まる中国依存のリスク

 4.「CO2」から「脱中国」に、投資家の要請が変わるリスク

 5.「実質」ゼロを目指す方法は


全文を読む

温暖化関連ビジネスに潜むリスク