【研究ノート】クアッドにおける化石エネルギー安全保障に関する協力についてのデータ

本稿では以下の問題意識のもと、データを整理する。

1. クアッドでは新型コロナウイルスのワクチンや、次世代の通信規格などを念頭にした重要・新興技術、それに気候変動の3つの分野で、それぞれ作業部会を立ち上げることになった。
2. しかしながら、気候変動への急進的な対応は、クアッドの経済力を削ぎ中国を有利ならしめる危険がある。
3. 中国と日米豪印クアッドは、世界有数の化石燃料大国である。その経済は何れも化石燃料に大きく依存している。
   
   
4. クアッドは、伝統的な戦略物資である化石燃料の安定した需要と供給についても、議論を深めるべきではないか。具体的な議題としては以下がある。a)化石燃料がクアッドの経済に於いて重要な位置を占めていることに鑑み、温暖化対策を理由として化石燃料依存を性急に低くして、経済を損なうことが無いようにすること。b) クアッド内での化石燃料貿易関係を強固かつ継続的なものとして維持すること。特に国際協調を無視した急進的な温暖化対策によって資源貿易の国際関係が損なわれないようにすること。c)　中国の豪州産資源輸入制限措置などの制裁などに対して協調して対処すること。d) インド太平洋の資源輸送の安全保障確保。

目次

　　日米豪印首脳テレビ会議 ・・・3
　　石油に関する国際比較 ・・・・3
　　天然ガスに関する国際比較 ・・5
　　石炭に関する国際比較 ・・・・5
　　米国の石炭輸出先 ・・・・・・7
　　日本の石炭輸入先 ・・・・・・8
　　豪州の資源経済概況 ・・・・・11
　　中国の豪州石炭輸入停止を巡る最近の動き ・・・11