地球温暖化に関する報道を見ていると、間違い、嘘、誇張がたいへんによく目につく。そしてその殆どは、簡単に入手できるデータで明瞭に否定できる。
本稿は、そのようなデータを分かり易くまとめたものだ。
全てのファクトについて、そのポイントを1ページで箇条書きと図で簡潔に書いた。加えて、理解を深め正確を期する読者のために解説と文献を付した。
忙しい方は1ページにまとめたポイントだけでも全項目を読んで欲しい。
なお本稿では主に過去の観測データを論じ、シミュレーション予測について詳しくは扱わない。
観測データを見る限り、地球温暖化による被害は殆ど起きていないことが解る。報道では何か災害があると「温暖化の影響がある」等と結ばれることが多い。だが影響は量として把握しないと認識を誤る。定量的には温暖化の影響は「ごく僅か」であり、「温暖化のせいではない」と言った方が正確なものばかりだ。
他方で、シミュレーション予測には、おどろおどろしいものが多数ある。だがシミュレーションは、前提次第で結果は大きく変わるもので、方法論上の問題がある。「2050年CO2ゼロ」といった極端な政策を正当化できるとは思えない。
*本稿を基に書籍「地球温暖化のファクトフルネス」を刊行しましたので、そちらをご覧ください