令和2年度の環境白書では 「気候危機」という言葉が使われたが、 観測データがまともに示されていない。 これで 「2050年ゼロエミッション」といった 多大な負担を国民に強いることは不適切だ。
令和2年版環境白書で、猛暑、台風、豪雨が多発している、というエピソードが紹介されている。だが、本当に気象災害が多発する傾向にあるのか、それは本当に地球温暖化のせいなのか、といった統計的な分析が全く掲載されていない。
データが示す異常気象の実態 温暖化の影響はごくわずか
白書では「台風」「激甚化」と繰り返し書いてあるが、肝心の観測データが全くない。だが実は、台風は増えてもいないし強くなってもいない。これは図から一目瞭然である。環境白書とは、本来は、まず丁寧にこのような統計データを示すべきだ。そうしないと、読み手が客観的に環境の現状を把握できないからだ。だが今回の環境白書は、このような観測データを示さない。理由は、気候危機というレトリックに不都合な真実だったからではないか、と勘繰られても仕方ないのではないか。白書では猛暑にも繰り返し言及していて、地球温暖化のせいにしている。だが地球温暖化は、起きているといっても、ごく緩やかなペースである。