レポート エネルギー・環境 2020.09.02
日本の地球温暖化対策の見直すために設立された経済産業省・環境
1.ワーキンググループの概要および資料:
中央環境審議会地球環境部会 中長期の気候変動対策検討小委員会・
令和2年9月1日
出典:経済産業省ウェブサイト
2.杉山研究主幹意見
第1、コロナ禍をきっかけに経済のデジタル化が進んでいます。この加速は、温暖化対策としても重要です。
デジタル化は、経済成長とイノベーションの好循環の下で実現されます。
エネルギー政策は、この好循環を支えるべきで、エネルギーコストを高騰させ妨害してはなりません。
第2、コロナ禍で起きた変化は3つあります。経済の疲弊、パンデミックリスクの顕在化、地政学リスクの高まり、です。
つまり3Eのうち経済と安全保障がより重要になりました。エネルギーミックスでは、原子力と火力を活用し、高価な再エネは縮小すべきです。
石炭火力は経済的で、電力供給の強靭性も高めます。エネルギーミックスで他電源が不足する場合、石炭火力はそれを埋める有力な候補です。
第3、石炭火力を用いれば、電力価格を低く出来て、電化を進めてCO2を減らせます。CO2については、経済が回復し、地政学状況が改善すれば、稼働率を下げて排出を減らせる。先ずは経済の回復を優先すべきです。
第4、科学的知見について、今回の参考資料1に違和感があります。観測データの統計こそ重要なのに、それが全く無いからです。あるのは、「気候危機」といったレトリック、それにエピソードや不確実なシミュレーションだけです。
観測データの統計は、経済と環境のバランスをとった温暖化対策の検討に必須です。情報の整理を事務局にお願いします。
私の知る限り、日本の観測データの統計では、台風は増えておらず、強くもなっていません。豪雨も増えていません。猛暑への地球温暖化の寄与はごく僅かです。
第5、近年の水害は、防災投資の不足が原因との見方があります。温暖化対策の検討では、防災投資との比較も必要です。統計データの整理を事にお務局願いします。
過去、治水の予算は抑制される一方で、再生可能エネルギーの賦課金は大幅に増えました。国民を守るという観点からこれは適切だったか、費用対効果を分析すべきです。