検閲というと、政治の話かと思いきや、科学にも闇が迫っている。
地球温暖化のように極めて複雑な自然現象を扱う問題では、幅広い科学的な見方があるのは当然である。ところが、ソーシャルメディアが温暖化「脅威論」に対して懐疑的な記事を、削除したり、検索に掛からない様にして、情報の伝達を妨げている。被害の報告を紹介しよう。
先ずは、インターネット検閲に馴染みのない方のために、ソーシャルメディアによる検閲の1つの例として、最近話題になったトランプとツイッターの対決から始めよう。
トランプがツイッターに掲載した「郵送投票では不正が生じる」という記事(ツイート)に対して、ツイッター社は、「注意!郵送投票について事実確認をしてください」と警告を書き、更に、トランプ氏の発言に否定的なリンク先を付けた(図1)。このリンク先には、CNNやワシントンポストなどの、トランプに否定的なメディアの報道が引用されている。
ツイッター社は「ミスリーディングな情報」について、このような対応を採る、という方針を表明している注1) 。