メディア掲載  エネルギー・環境  2019.01.22

研究者が考える2050年のエネルギー需給

一般社団法人 エネルギー・資源学会 「エネルギー・資源」 Vol.40 No.1 (2019) に掲載

2019年新春座談会

出席者:秋元圭吾氏、荻本和彦氏、杉山大志、村上朋子氏、藤井康正氏(司会)


はじめに

 藤井 ご多用のところをお集まりいただき、ありがとうございます。

 本日の新春座談会ですが、テーマは「研究者が考える2050年のエネルギー需給」です。政府ではエネルギー情勢懇談会が構成され、2018年4月にそこでの提言が取りまとめられました。その提言に基づいて、7月に第5次エネルギー基本計画が公表されています。

 エネルギー基本計画ですが、時点によって大きく2つに分けられ、2030年に向けた対応としてはエネルギーミックスの確実な実現ということで、前回のエネルギー基本計画からほとんど変わっておらず、それを着実に実現していくことになっています。

 今回新しいところは、2050年に向けた対応で、温室効果ガス80%削減を目指すことが取り上げられています。ただ、具体的な数値目標は特に盛り込まれていない感じで、複線シナリオでさまざまな選択肢を追究することになっています。その中で、開発目標、政策資源の配分に関しては、客観的な情報に基づく科学的レビューメカニズムの導入の必要性なども述べられています。

 このようなことを念頭において、エネルギー環境分野でご活躍されている著名な研究者の方々にお集まりいただいて、事業者でもない、役人でもないという立場で、自由な議論をしていただくことを期待しています。・・・


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2019年新春座談会:研究者が考える2050年のエネルギー需給