メディア掲載 財政・社会保障制度 2018.11.05
2016年3月の社会福祉法改正により、16年度決算から全ての社会福祉法人(社福)の財務諸表のデータベースが作成されることになった。その集計結果を厚生労働省が独立行政法人福祉医療機構のサイトで公開している。
だが財務データの集計対象となったのは社福全体2万645法人のうち1万1488法人にすぎず、社福全体の収入合計、経常増減差額(一般企業の経常利益に相当)合計も明らかにされていない。事業種類の差から生まれる財務構造の特徴を分析していないため、せっかくのデータベースが政策判断に役立つとも思われない。そこでサイトにある社福の財務諸表を全てダウンロードして集計分析した。
筆者は16年3月28日付本欄で、社福全体の約4分の1にあたる5513法人の14年度決算に基づき、社福全体の経常増減差額を3300億円、純金融資産(退職給付積立金等を除く金融資産から借入金を差し引いた額)を2兆円程度と推計した。業界団体からは事実無根との批判も受けたが、今回の集計分析により適切だったことが証明された。
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日本経済新聞 「経済教室」2018年11月1日掲載