メディア掲載 エネルギー・環境 2018.07.19
要約 ヒートポンプ、赤外線加熱、電磁波加熱、レーザ等に至るまで、電気利用技術の特徴として、あらゆる経済分野で、多様な応用先がある。このような「汎用目的技術(General Purpose Technology)」の進歩を技術史の観点から眺めると、どのような特徴を整理できるだろうか。そしてそれは、どのような示唆を、将来見通しや技術開発戦略に対して与えるだろうか。
1. 汎用目的技術が大幅なCO2削減を可能にする。
連載第1回目(No.219)で述べたように、汎用目的技術は通常は所謂「温暖化対策技術」とは分類されないが、例えばエネルギー効率の高い空調・照明技術や、生産性が高くかつ温室効果ガス排出が少ない精密農業等の形で、温室効果ガスの削減に大きく寄与する。汎用目的技術の進歩を受け、大規模な温室効果ガス削減ポテンシャルを示唆する報告がなされるようになった。PVやシェールガス技術も汎用目的技術であるICTや材料技術の進歩の恩恵を受けている。・・・