メディア掲載 エネルギー・環境 2018.04.23
東京の気温は3℃上昇した
パリ協定では温暖化防止の目標を「2℃未満」(の気温上昇)としている。だが東京の気温は、実は過去に3℃上昇した。それでは、温暖化によって甚大なる被害があったのだろうか? ないとしたら、どうやって防いだのだろうか?
まず温度のデータを確認する。パリ協定で2℃というときの原点は「産業革命前」である。すでに地球全体の平均気温は1℃上昇しているから、現時点から測れば残り1℃である(小数点以下は本質的でないので本稿では一貫して省く)。
東京が3℃上昇したというのは、地球温暖化によるものが1℃、都市熱(ヒートアイランド現象)によるものが2℃の合計である。これは1900年以来だから、だいたいは「産業革命前」と呼んでいるのと同じと思ってよい。ついでにいえば、札幌・名古屋・大阪・福岡等の大都市でも2℃以上の温度上昇があった。・・・