NGOの環境運動はとかく〇〇叩きの様相を呈する。鉛叩き、ディーゼル叩き、シェール叩き、石炭叩き、CO2叩き、・・・その度に、事業者は対応に苦慮することになる。ちゃんと規制は守っているのに。別に悪いことをした訳ではないのに。せっかく真面目に働いているのに。他にもっと大事な環境問題は山ほどあるのに...。と、愚痴りたい気持ちになるのは良く分かる。
だが近年はESG投資が盛んになり、ますます企業は対応を迫られるようになった。では、どうしようか?
〇〇叩きに一つ一つ対応するのも仕方ないけれども、もっと上手に投資家に説明が出来る態勢を作っておいたほうが良い。そのとき、たまたま火がついている〇〇だけに着目して議論するのは受け身に過ぎる。もともと、企業活動というのは、沢山良いことをやっているのだから(だからこそ、皆、わざわざ製品やサービスを買ってくれる)、それをきちんと説明したいものだ: 開発途上国の経済開発への寄与、防災、衛生水準の向上...。幸いにして、これを投資家に説明する「共通言語」が確立されている。それが17項目注1)わたるSDGだ。
筆者はIPCC等の場で、国際的に地球温暖化関係の学者・研究者とよく議論する。そこでも、今や地球温暖化対策と雖も、SDGの1つに過ぎないこと、そして、SDG全体を達成していく中で、それと調和を取りながら温暖化対策を図っていくのだ、という考え方が常識になっている。
企業活動をSDGに紐づけすることで、企業が世界市民の持続可能な開発に貢献していることを、きちんと投資家に説明できるようになる。〇〇叩きの渦中にあっても、SDGの17項目の多くに貢献しているという正論で、投資家に説明が出来る(むろん、成功が保障されている訳では無いけれども)。
SDGとの紐づけを明示している企業として、例えば新日鐵住金、関西電力、大阪ガス、住友化学、味の素等がある(研究者による調査結果についてはリンクを参照)。未検討の企業の方は、検討してみてはいかがだろうか。経団連レベルでは、企業の行動憲章にすでにSDGが入っている。将来的には、更に進んで、低炭素社会実行計画をSDG実行計画に衣替えすることもあって良いかもしれない。