キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)は2017年10月31日に、ポール・ゴールドスタイン氏のセミナーを開催しました(モデレーター:小手川大助研究主幹)。これは同セミナーの「発表要旨・質疑応答(日本語)」です。
発表概要
中国は経済的にも軍事的にも支配的な力とはならないであろう。北朝鮮のお陰で北東アジアの地政学的な力学が変化してきている。米国・日本・韓国の三カ国間の合意や、共同での空軍やミサイル防衛の動員、日韓関係の改善は、中国に対する新たな地政学的挑戦となっている。中露のパートナーシップにおいても、北朝鮮について必ずしも意見が収束しているわけではない。金正恩は中国や習近平の支配に対し挑戦してきている。
最近の3つのミサイル発射や核実験は、4月に習がマール・ア・ラーゴでトランプに会っているときに行われているし、5月には5月サミットの一帯一路の習の基調演説の際と、アモイのブリックスサミットの際に行われている。金は完全なならず者国家という行動をしている。イランはもっと洗練されていて、国際秩序を理解していた。
米国は12の戦争計画と12の外交上の解決策を有している。もし金がグアムや米国本土を攻撃するといった非合理的な行動に出れば、米国は戦争に突入する用意がある。日本の役割は変わりつつあり、戦略上の重要性は増している。日米関係は深まりつつあり、英国の戦略上の重要性もBrexitのために変わりつつある。
China is not going to be the dominant power economically and militarily. North Korea is the catalyst for changing the geopolitical dynamic of NE Asia. US-Japan-ROK trilateral agreement and deployment of joint aerial, missile defense, and improved Japan-ROK relationship poses a new geopolitical challenge to China. Sino-Russian partnership does not necessarily converge on North Korea. Kim Jong Un is challenging China and the governance of Xi Jinping.
The last 3 missile and nuclear tests were conducted when Xi met Trump in April at Mar a Largo; In May, One Belt One Road May Summit/Xi keynote; BRICs Summit Xiamen. Kim is operating as a complete rogue state, but Iran is not such state and is more sophisticated and understands the international system.
US has 12 War Plans and 12 Diplomatic Solutions. US is prepared to go to war if Kim acts irrationally by attacking Guam or US homeland. Japan's role is changing and its strategic importance is growing. US-Japan relations are deepening and the strategic importance of the UK will also change because of Brexit.
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発表要旨PDF:301KB
質疑応答PDF:550KB
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ポール・ゴールドスタイン セミナー 「地政学から見た新時代の到来とその世界市場に与える影響-最近の北朝鮮問題に焦点を当てて-」