メディア掲載  財政・社会保障制度  2018.01.15

地域にある、あらゆる土地や建物について考える2018年

「地方財務」2018年1月号に掲載
1.2017年の三大ニュース

(1)自治体の財政再建を考察

 本誌2015年4月号から2年間連載していた「財政再建への道のりーどん底からどのように抜け出したのか」が2017年4月号で終了した。財政健全化団体になった自治体や財政健全化団体にはならなかったものの財政が危ぶまれた自治体の財政再建について連載してきた。

 連載で紹介した自治体は、北海道留萌市・美唄市・江差町・由仁町・利尻町・洞爺湖町、青森県黒石市・大鰐町、山形県新庄市、群馬県嬬恋村、長野県王滝村、滋賀県栗東市、大阪府泉佐野市、兵庫県香美町、奈良県上牧町、岡山県、鳥取県日野町、高知県安芸市、沖縄県座間味村の19団体である。執筆は19団体だったが、視察は2年半かけて、25団体を訪問した。どの自治体も歓迎してくれて、とても感謝している。

 個別事例はさまざまであったが、まとめると、自治体の財政悪化の要因は2つあり、ひとつは、財政規模に見合わない公共事業である。内的要因と外的要因があり、内的要因としては、首長が理想郷をつくるべく行った大規模公共事業や、過疎対策事業債(以下、過疎債と略す)や辺地対策事業債(以下、辺地債と略す)を利用できる自治体が住民サービスを充実させるために相次いで行った公共事業による。外的要因としては、洞爺湖町の有珠山噴火や日野町の鳥取県西部地震のような自然災害によって発生した公共事業によるものや、新幹線新駅や新空港建設にともない先行して行った公共事業が事業廃止やバブル経済崩壊で最初の計画どおりにいかなくなったことによるもの、バブル経済崩壊後の国の景気対策に歩調を合わせて相次いで行った公共事業によるものが挙げられる。嬬恋村の場合は、国営農地開発事業が当初計画の145億円から最終的には304億円に膨らんだことが財政悪化の要因で、これは国の計画に問題があったといえる。・・・



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