レポート エネルギー・環境 2017.10.20
日本学術会議(総合工学委員会・エネルギーと科学技術に関する分科会)は、報告「パリ協定を踏まえたわが国のエネルギー・温暖化の対策・政策の方向性について」をとりまとめました(2017年7月27日)。
キヤノングローバル戦略研究所の上席研究員・杉山大志は、「地球温暖化対応の視点からのエネルギー対策・政策検討小委員会」幹事として、報告のとりまとめに参加しました。
同報告では、現在の地球温暖化・エネルギー政策状況を踏まえ、今後対応が必要な事項について課題を整理しました。
地球温暖化問題の解決のためには、エネルギー・地球温暖化対策関連技術の大幅なイノベーションが必須であるところ、「周辺技術を含め幅広い分野でのイノベーションがあって初めて、気候変動、エネルギー対策に結びつくため、気候変動、エネルギー対策技術に特化して開発に取り組むのではなく、素材、情報産業等、幅広い分野でイノベーションが起きやすいように、経済・制度環境を整備することが重要である」としています。
その他、過大な省エネルギーは経済への悪影響が懸念されること、市場を重視したエネルギーシステム改革は短期的な効率性を高めるが、資本集約的な投資を行いにくくなり、長期的な効率性向上を逆に阻害する可能性があることから、気候変動対策、省エネ対策に逆行する恐れもあること等を指摘しています。
詳しくは下記リンクをご覧ください。
日本学術会議報告書:パリ協定を踏まえたわが国の エネルギー・温暖化の対策・政策の 方向性について