ワーキングペーパー グローバルエコノミー 2017.07.27
この論文は、20世紀初めの日本に関するユニークなデータを用いて技術変化と組織変化の効果を分離し、そのことを通じて工場制度の生成以来続いている"factory debate"への貢献を意図したものである。分析の結果、力織機の効果をコントロールしたうえで、工場労働者の労働生産性は問屋制度の下で働く織工の2.46倍であったことが明らかになった。工場制の生産性効果を力織機の生産性効果と比較すると、工場制の導入は手織機をすべて力織機に入れ替えた場合と同等のインパクトを持っていた。これらの発見は、空間的に分散していた労働者を一つの工場の屋根の下に集めるという組織変化の効果がいかに大きかったかを示している。
Disentangling the Effects of Technological and Organizational Changes in the Rise of the Factory: The Case of the Japanese Fabric Industry, 1905-1914(英語) (PDF:430KB)